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知恵 の記事一覧


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家族や友人に「たまには」甘えろ。

家族もいる中高年にとって、定職を喪失した状態が続くと、どうしても先々について暗い想像ばかりが先にたち、口数も少なくなり、自分のなかで自らを責める問答をエンエンとくりかえしがちになる。

この場合は、とにかく声に出して、心の思いを外に吐き出すことが、一番効果がある。


アタマの中で考えているだけではダメで、「声にだして話す」という行為そのものが、すごく重要なのだ。


これはコミュニケーションとしてできるなら、それが一番いい。

平たく言えば、誰かと会話してグチをこぼし、悩みを聞いてもらうことだ。家族のある人は家族と。仲のよい友達がいる人は、友達と。

え、周りに相談相手が、誰もいない?

なら、まだ明るいうちに、人気のない広場や公園に行ってみよう。

周りを見渡して、誰もいないのを確かめてから「ツライよう!」と叫んでみよう。

その辺を走り回っている犬や猫に向かって、話しかけてみるのもよい。誰も見てやしないんだし、別にいいではないか。

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24時間を自由に使える、素晴らしさ。

「タイム・イズ・マネー」という箴言のもつ奥深い意味に、いったいどれほどの人が気づいていることだろう。

そう、「時間」と「お金」は完全に等価である。

いや、「時間」のほうが「お金」よりはるかに貴重な場合だって、世の中にはずいぶんとありそうだ。


もちろん逆の場合だってたくさんあるだろうし、「オレはそっちのほうがいいんだ」と言いたい人も、いることだろう。

しかし、とりあえず今のあなたが潤沢にもっている資源は、「お金」でなく「時間」のほうだ。

それを単に湯水のように浪費した日々をすごすことが、いまのあなたにとって、賢明な選択だとは言えないだろう。


今、あなたが自分の判断で一日24時間を好きに使える立場にあるのなら、考えようによってはこれほど幸せなことはないのだ。

「ヒマだ、何しよう」などと、寝ぼけたことを言っている場合ではない。あなたがやるべきことは、はっきりしている。

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事を起こす前に、よく調べたか。

求職の現場では意外なことに、就職における求人数が求職数を上回るケースがままある。

たとえば保険代理店のコミッション制の営業員や、飲食店のウェイター・ウェイトレス、助産師などは、今日では大抵の場合、人手が恒常的に足りない職種となっている。

保険代理店の営業は、保険の普及率の飽和感がある中で新規開拓のノルマなどもあいかわらず厳しく、やはり大きくストレスがかかるからだろう。

ちなみに「ノルマが無い」として募集しているところもあるが、だからといって新規契約ゼロのままのあなたを企業側が何ヶ月も快く放置してくれるかどうか、ちょっと考えてみればすぐにわかることだ。


飲食店のアルバイトは、もっぱら即金が手にできる超短期のバイトに流れがちな若年層を定着させることがなかなかできず、補充を続けてもすぐに辞められてしまうとイタチごっこから、なかなか抜け出せないでいるようだ。いまやレストランやファミレスで結構な年配層の方から接客を受けるほうが当たり前なのは、ご存知のとおりだ。

助産師、また看護士なども同様に分類されるが、これは資格も必要であること、そして場合によっては24時間営業状態の激務となるため、よほどの使命感がないとなかなか成り手がいない。

かように求職数が求人数を上回っているような場合は、それなりに何かしらの理由・裏の背景事情があるものである。

もちろんあなたの24時間だし、あなたがそういった求職面での有利さからこういった職種に応募することで職を得るチャンスも広がるだろうから、別にあなたの応募を止めるつもりで、このような例をあげているわけではない。

短期でもどうしても仕事に就かなければならない事情があるとか、何かしら差し迫った理由がはっきりとある場合はなおさらだ。


しかし、単純な印象や選り好みのレベルで言っているのではなくて、応募する前に自分でよく調べることの必要性はやはり強調しておきたい。


あなたはその企業が出している求人広告以外に、その仕事・職種について、今とこれからの自分の状況と照らし合わせてよく調べた上で、それでもなお応募しようと考えているのだろうか?

単純に現在の不安定な状況から逃れたい一心で、マイナス点に目をつぶったり、あるいは目の前のおいしそうな求人広告のPR文につられているだけではないのか?

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パート・アルバイトの本質は、「時間」の切り売り。

中高年であるあなたにとって、というよりも正確には誰にとってもそうなのだが、あなたにとって最大の武器でもあり、唯一の貴重な資源ともなるのが「時間」だ。

パート・アルバイトをすることで少しでもお金を稼ごう、という気持ちはとてもよくわかるし、そうしなければ生活も厳しいということであれば、緊急避難的にパート・アルバイトをするのはやむを得ないかもしれない。

ただ、あなたがパート・アルバイトで時間を費やすということ、それは『あなたの貴重な武器・資源である「時間」を、一時間あたり600円とか1,000円の金額で切り売り・バラ売りしている』のだということを、頭の片隅に置いておく必要がある。

あなたはひょっとして、その数百円の時給の代わりに、失った時間をもっと高い価値に変換できる可能性があったかもしれない。その点について、真剣に考えてみたことがあるだろうか?


何も考えず手元のパート・アルバイトをめくって、近くのコンビニでたまたま中高年枠の採用の空きがあったので、面接に行ってみた。

幸いにも採用され居心地も悪くなく、数ヶ月そのままそこで働いている。そんなことはないだろうか?


繰り返すが、パート・アルバイトをすることが悪い・するな、と言いたいのではない。

ただあなたには、そのパート・アルバイトによって自分自身の貴重な「時間」を切り売りしている事実を、時々でよいから、きちんと意識してほしいのだ。

そして一度切り売ったその時間は、二度と戻ってはこないことも。


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企業の求人広告、真の意図を読みにいく。

あなたは今、求人広告や就職情報誌をみて、せっせと履歴書・職務経歴書作りにはげんでいるのかもしれない。

そのような気概に水を注すようで申し訳ないが、あなたがその履歴書作りに費やした時間は、ひょっとしたらまったく「無駄な行為」、徒労というヤツであるかもしれないのだ。


いや、怒らないでほしい。「応募してみなければ、なにも始まらない」とか、「1件でも多く応募することが採用につながると教わった」とか、反論したいことについては大方わかるつもりだ。

私が上で「無駄」と言ったのは、あなたが履歴書を書いて応募し、面接をきちんとすませたものの最終的に不採用となった、といった通常のケースを指しているのではない。


その場合は、チャレンジし選考を経た結果採用とならなかったという「一連のプロセスとその結末」の問題であって、そこにきちんと意味のある時間の使い方を見出すことができる。

たとえうまくいかなかったにせよ、先方の人事採用担当もあなたのために時間をとり、履歴書を読み、面接で質問をいくつもしてくれた。

双方が時間を費やした後に折り合わなかった場合、結果が残念であるにせよ、それを無駄な活動と呼ばないのはごく当然のことだ。


私が言いたいのは、「希望条件どおりの能力を持つ人や、年齢層で条件を満たす人がもし現れたとしても、本心では採用するつもりがないにもかかわらず求人広告を出しているとしか思えないケースが、現実によく存在する。少なくとも応募する側のあなたにとっては、そのような企業の求人に応募することは結果として時間の無駄になると言わざるを得ない。」ということなのだ。

採用するつもりがないくせに求人広告を出す企業などあるはずがない、と思われるだろうか?それがあながち、そうとも言えないのである。

もちろん企業側だって、口では「年齢にこだわらず、いい人がいれば、いつでも積極的に採用したい」くらいのリップサービスは、当然する。


ひとつ例をあげて説明しよう、こういうことだ。

ある管理部門の中堅社員が1名退職し、その補充として1名採用をかけることにした企業があるとする。彼の年齢が35歳だったとしよう。

そして、彼の直属の上司が37歳で、退職前に彼が面倒をみていた後輩社員が30歳だったとする。

この場合、その企業が真剣に採用を検討する年齢層というのはほぼ自動的に「32歳から35歳くらいの間で、なおかつ採用条件にかなう人材」に落ち着く、ということだ。暗黙の合意、というヤツである。

その分野に経験が豊富な40歳の応募者が採用される確率は、上司が年下であるこの場合、ほとんどゼロといってよい。

いかに能力的に優れていても、最終的には書類選考からはずされるだろう。


いや、むしろ37歳のその直属上司をしのぐくらい仕事が出来そうな人には来てもらっては困る、というのが本音かもしれない。

逆に若いからといって、いくら能力があっても20歳代が採用されることも、この場合はなさそうだ。

30歳の社員に新たな部下ができて負担が増えることになるし、残った二人の間にできるコミュニケーションギャップを吸収する存在がないことへの、恐れもあるからである。

このケースのように、「30歳の後輩社員と37歳の上司の間をつなぐ役割として最適な年齢の人物がもしいるならば、その場合にだけ一人補充しよう」くらいのハラで企業側が考えているくせに、希望より全然ゆるやかな条件の求人広告を出している…などというケースが実に多いのだ。


こういうケースでは、決まって「年齢不問」とするか、または「30歳から40歳位まで」と、本当の希望よりも年齢幅をずっと広くとって、広告を出す。

年齢差別の指摘を受けることを回避したいがためであろうし、ひょっとしたら思わぬ掘り出し物の人材が出てくるかも…との期待でも、抱いているのかもしれない。

いずれにしても、彼らは希望する対象以外の応募者層については、書類選考でどのようにもコントロールできる。そのような求人広告がでてくることを止める手段なぞ、ないのである。

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中高年こそ、自分が得意な、強い分野で闘え。

中高年専門の求人誌なりフリーペーパーなりを、コンビニや駅のホームで手にとってご覧になったことがあるだろう。

あの異常なまでにペラペラと薄い、しかも応募する職種が極端にかたよった求人誌を。

見るたびにやり場のない怒りのようなものがフツフツとこみ上げてくるあなたは、感情が正常に機能しているのだと思う。


しかしそうはいっても、残念ながら、これが今の日本の現実。

必要とされているのは、緩やかな賃金上昇カーブが期待でき、体力にあふれていて過酷な長時間労働に耐えてくれそうな若い労働力層ばかりである。

こういう現状そのものに異議を唱えその改善をはかっていくのも、それはそれで筋の通った一つの方法であろうが、一個人にとってはきわめて膨大な時間とエネルギーを必要とすることだ。

このサイトを訪れているのは「自分のことで手一杯」という方たちが大半であろうし、ここでは求人と求職の問題に絞って、この問題を考えてみたい。

数少ない中高年の求人職種を見渡してみると、共通する傾向としては;


(1)いわゆる「単純労働力」で構わない、と考えて募集している。


単純労働力の単価が概して高くない理由は、経営側のコスト削減の側面もあるだろうが、そもそも長時間労働になりやすい性質の仕事であることが大きい。

労働者を高単価で優遇していては、追いつかない構造の仕事だということだ。

一言で言えば働く側にとっては「労働条件がよくない」ということだが、始末におえないのは、これらの中には経営側の自助努力で改善をはかることが構造的に困難なものも含まれていることだ。


介護関連の職種などがまさにそうで、需要がこれだけ多いにも関わらず、介護保険法の制度的制約により、賃金上昇の可能性が構造的に抑えられているような仕事もある。

経営者は大幅に給料をアップして有能な人材を大々的に集めたくたくとも、そもそも構造的にできない(会社を破綻させる覚悟があるならば、別だが)。

ところで上記で「単純労働力」という言葉を使ったが、介護関連の仕事はその例外に当たるだろう。

単価が高くないにもかかわらず、ある意味これほど熟練と技量が必要とされる職種も、また珍しい。

こうなると雇う側も、働く側の献身に期待する面が、どうしても大きくなってくるのではないだろうか。それなのに、高賃金でそれに応えることができない。

介護福祉士の有資格者の4割強が、資格を持ちながらも介護現場で働いていないとの報道もあったが、さもありなん…というやつである。


(2)基本的に、「働いている人の取り替えが効きやすい仕事」の募集が多い。


ひらたく言えば、「私やあなたでなければ、どうしても駄目」ということがない。

これは働く側からすれば、「雇用と生活の不安定」を意味する。

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「五感」を日々、できるだけ使い、動け。

「働く」という字は「人が動く」と書くが、失業したりするととたんに動くのを止めて家の中にひきこもってしまったり、あるいはネット喫茶で終日マンガなどを読み時間をつぶしてしまう人がいる。

ネット喫茶がよくないと、言うつもりはない。ただし一箇所に引きこもって、動き回るのを止めてしまうこと、これは悪い。


なぜなら、働く、すなわち社会において、あなたという「個」が動き回ることを止めてしまったなら、あなた自身の「五感」がどんどん退化してゆくからだ。

そして社会の中で動き回るという感覚が鈍っていき、会社で働いている人たちとの時間感覚との間に、徐々に乖離を生じるようになってゆく。

すなわち、「社会の中で人と交わることで得られる、人生の喜怒哀楽の生々しい手ざわり」のようなものを体感するセンスが、失われていく。


自分の表情や感性が、生きているのか死んでいるのかわからない能面のようになってしまうのをイヤだと思う人は、自分なりに意識してそのようなセンスを失わないように、心がける必要があると思う。

そのために、二つ提案をしたい。

一つは、動くこと。外に出て動き回ることそのものが大切なんだと、いつも意識しておくこと。

もうひとつは、いわゆる「五感」を、日々働かせるよう努めること。


「五感」を研ぐ方法論については、ひとつだけ例をあげたい。

たとえばあなたはいつも同じ、または同系統色の服を着て日々を過ごしてはいないだろうか?

一週間ぐらいずっと、グレーのすすけたスウェット姿のまま過ごしていなければよいのだが(笑)。

色の持つパワー、色彩というものが心理に及ぼす影響に多大なものがあるということは、あなたもすでに知っていることだろう。

いろいろな「色」を、見てみる。目に焼きつける。そして、これまでの自分なら絶対に着ることのないような色の服を着て、街に出てみることをオススメしたい


闘争心をかきたてる色の代表は「赤」。

落ち着きを出す色は「茶」。就職試験の面接では、背広の定番はなんといっても「濃紺」か「グレー」だ。

面接官が色を通じて受ける心理的印象というものが、明らかに存在している証だ。

だから、あなたは身の回りのいろいろな「色」を日々とりかえるように配することで、色を見て感じる「視覚」に変化をもたらすことができるわけだ。


この一週間ずっと家でグレーのスウェットをきてゴロゴロすごしているなら、赤のセーターやライトイエローのシャツなどを着て、街中に映画でも見に行くというのはどうだろうか。

赤いセーターなんか生まれてこのかた、着たことがない…という中高年の方も多いだろう。

私もそうだった。最初に袖を通したときの、息詰まるような自分が自分で無いような感覚は、今でも忘れられないくらいだ。

しかし努力の甲斐あって、今では赤い色のセーターを着るのが好きなオジサン(笑)になった。


一口に赤色といっても、微妙に色が違うものだ。ある赤色は自分にピッタリくるが、この赤色は好きになれない…などと、細かい部分にも、目がいくようにもなってくる。

ということで、オジサンたちは勇気をふるって、明るい色の服を着ることにチャレンジしてほしい。

家族や友人の意見も取り入れて、新しい自分の姿を発見してほしいものだ。

そして、街中にでたら、道を歩く人々のファッションを観察してみる。

テレビのニュースなどでは、たとえばオバマ大統領や安倍総理の背広の色やネクタイに、毎回注目してみるとよい。

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ルールの変化の潮目に、敏感になる。

いくら中高年の転職・就職状況が厳しいからといっても、「仕事に就きたい」「今の生活レベルを維持したい」と身の回りのことだけで頭の中を一杯にしていると、まったく別の方向から思わぬ衝撃がやってくる可能性に思いが至らなくなってくる。

たとえば、あなたは自分を取り巻く社会・企業のベースとなる「ルール」(さまざまな局面での取り決めごと・暗黙ないし明示された合意を、とりあえずここでは、"ルール"と呼ぼう)が変わることで、自分自身が影響やダメージを受ける可能性について、ここ最近チラッとでも考えてみたことがあるだろうか?


社会を構成する側にいる政党・政治家・行政機構、民間なら会社を動かす側の経営陣。

彼らは自分たちの目的の達成のため、前提となるルールそのものを自分たちに有利に変えてしまおうと、常日頃から腐心しているものだ。


ここは間違えてはいけないところで、彼らは国民や従業員と同じ土俵の上に立ち、その上で権力を使って有利な立場を強めることによって、自分たちに都合よく事を運ぼうとしているわけではない。

そうではなく「ルールそのもの」を、自分たちにとってより都合がよい方向に、合法的・合理的に変えようとするのだ。いったんルールとなってしまえば、そのゲームの参加者は全員一律、それに従わざるを得なくなるからだ。

この「ルール」は、政治・行政で言えば法律や通達、民間企業で言えば定款や業務運用規程の変更にあたるわけだが、現在自分たちがどっしりと乗っかって生活している土台となるルールそのものが、ガラガラと音を立てて崩れるかもしれない…などとは、普通はこれっぽっちも考えないものである。


またこれまでの変化はどちらかというと、いわば「満ち潮型」であった。

ある方向からひとつの波が押し寄せても、いったんそれが反対の力で押し戻され、また攻め入ってきてまた押し返し…といったプロセスを経ながら、少しずつ最終的な方向性が固まってくるような感があった。

変化は潮が満ちるようにゆっくりとやってきて、私たちの生活を少しずつ浸すように変えていった。


しかし、今は違う。いわば「オセロゲーム型」になってしまった。

いったん既存メディアやインターネットにのってしまうと、一方向にものすごい加速がかかり、あたかもオセロゲームで盤面が白からあっという間に黒になってしまうかの如く、気がついてみるとある日を境に状況が一変していることすら、珍しくない。

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「怒り」のコントロールに努める。

昨今のメディア報道においては陰惨な事件を見聞きすることも多く、憂鬱な気持ちにならざるを得ないが、皆さんはいかがだろうか。

つまるところ、自分の中にひそむ「怒り」の感情を、他人に対する攻撃という形をとってむき出しにぶつけるような輩が目立って増えてきている、ということだろう。そしてこのような風潮は、日本社会全体で強まっているような気がする。

自らの感情における「怒り」の部分をコントロールできない人間、ないしは外の世界への暴力へと転化することで自らの「怒り」を発散し解消しようとする人間の数が、確実に増えているのだ。


中高年の転職・就職活動とは無縁な話だと、思われるだろうか?

私は、面接テクニックの習得や想定問答に精を出すよりも、自分の中の怒りの感情をコントロールするやり方を身につけることのほうが、就職活動においてはるかに有益であるような気がしてならない。

たとえば就職の最終面接で、面接官である役員や人事部長にぶしつけな、あるいは思わずカッとなるような質問を投げかけられたら?

怒り出さないまでも、自らの表情がみるみる険しくなるのを自覚するようでは、当然に面接者にも気取られることだろう。


また、転職理由などを話しているうちに自分の過去の「怒り」に通じるスイッチを自ら入れてしまって、感情が高ぶってしまい面接が台無しになってしまう場合だって、ケースとしてはありうるだろう(関連して、中途採用面接、前の会社の悪口だけは言うな。のコラムも、ついでに読んでほしい)。

面接テクニックなどはいったん就職してしまえばそれで用無しとなるが、「怒り」をコントロールするノウハウは、入社後の仕事の現場においても、あなたの家庭生活などのプライベートであっても、生涯のさまざまな場面において活きてくるはずだ。


自分の怒りの感情を、コントロールできるようになること。これは、あなたの人生における、すばらしい武器になるのだ。

「怒るな」といっているのではなく、「怒り方の習得」が必要だということだ。


ただしそのぶん、この怒りの感情をコントロールする方法は身につけることが難しい。

上手に怒れるようになるためには、意識的なトレーニングが必要なようだ。

そのためずいぶん長い間研究の対象ともされてきているし、数多くの人が苦労してこの技術を身につけようとしてきている。

正直、私などがこれについて語るのはあまりにおこがましいのだが、専門家の知見もまじえ半分は自分自身のために(笑)、怒りをコントロールする方法についていくつかのヒントを並べておこう。


専門家によれば、怒りというのは「感情のふた」なのだそうだ。

怒りという「感情のふた」を開けると、悲しみやあきらめ・淋しさといった真の感情がその下に隠れており、それが露わになるのを防ぐために、我々は怒るらしい。

そして「怒り」には「瞬間的」なものと、「持続的」なものの二種類がある。

「瞬間的な怒り」ならば、「怒るのを、とりあえず深呼吸して、心の中で数字を10まで数えてからにする」というルールをつくるだけでも、ずいぶん収まるものだ。

「1、2、3、…」とゆっくり数えているうちに、怒りを爆発させたいる気分がわずかながらトーンダウンしてくるし、10まで数えた後にあらためて怒るにしても多少は自分を取り戻し、もっとやわらかいものの言い方に改めることだってできるようになる。


なお自分が「瞬間的な怒り」にとらわれていると感じるときは、インターネットは見ないほうがよい。完全に感情が安定するまで、PCやスマホからは離れてしまうことをオススメする。

科学的説明まではできないが、モニターやスマホの画面をあまりにも長時間見つめていると、とりわけネガティブな感情がだんだんと増幅される作用があるように思えてならない。

見えないスクリーンの向こう側の相手に感情をそのままぶつける「ネットいじめ」は、とりわけ感情のコントロールに思いが至らない子供の世界において残酷なまでリアルに表れることは、皆さんご存知のとおりである。


ということで、「なんかムカつく!」という気分のときには外に散歩に出たり、軽い運動をしたり、何かおいしいものを食べにいったりすることをおススメしたい。

他にも「瞬間的な怒り」の解消方法については、いろいろとアイデアが出されているようだ。試してみて、自分にあっていると感じるものを、長く採用するようにするのがよいだろう。

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