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ルールの変化の潮目に、敏感になる。


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いくら中高年の転職・就職状況が厳しいからといっても、「仕事に就きたい」「今の生活レベルを維持したい」と身の回りのことだけで頭の中を一杯にしていると、まったく別の方向から思わぬ衝撃がやってくる可能性に思いが至らなくなってくる。

たとえば、あなたは自分を取り巻く社会・企業のベースとなる「ルール」(さまざまな局面での取り決めごと・暗黙ないし明示された合意を、とりあえずここでは、"ルール"と呼ぼう)が変わることで、自分自身が影響やダメージを受ける可能性について、ここ最近チラッとでも考えてみたことがあるだろうか?


社会を構成する側にいる政党・政治家・行政機構、民間なら会社を動かす側の経営陣。

彼らは自分たちの目的の達成のため、前提となるルールそのものを自分たちに有利に変えてしまおうと、常日頃から腐心しているものだ。


ここは間違えてはいけないところで、彼らは国民や従業員と同じ土俵の上に立ち、その上で権力を使って有利な立場を強めることによって、自分たちに都合よく事を運ぼうとしているわけではない。

そうではなく「ルールそのもの」を、自分たちにとってより都合がよい方向に、合法的・合理的に変えようとするのだ。いったんルールとなってしまえば、そのゲームの参加者は全員一律、それに従わざるを得なくなるからだ。

この「ルール」は、政治・行政で言えば法律や通達、民間企業で言えば定款や業務運用規程の変更にあたるわけだが、現在自分たちがどっしりと乗っかって生活している土台となるルールそのものが、ガラガラと音を立てて崩れるかもしれない…などとは、普通はこれっぽっちも考えないものである。


またこれまでの変化はどちらかというと、いわば「満ち潮型」であった。

ある方向からひとつの波が押し寄せても、いったんそれが反対の力で押し戻され、また攻め入ってきてまた押し返し…といったプロセスを経ながら、少しずつ最終的な方向性が固まってくるような感があった。

変化は潮が満ちるようにゆっくりとやってきて、私たちの生活を少しずつ浸すように変えていった。


しかし、今は違う。いわば「オセロゲーム型」になってしまった。

いったん既存メディアやインターネットにのってしまうと、一方向にものすごい加速がかかり、あたかもオセロゲームで盤面が白からあっという間に黒になってしまうかの如く、気がついてみるとある日を境に状況が一変していることすら、珍しくない。

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ビジネスの世界において、ルールは人為的な力によって変えられるのだ。そのことは、頭の片隅に留めておいたほうがよい。

そしていったん変化の潮流が明確になると、その後は雪崩を打ったようにすごい勢いで、全体が塗り替えられていく。「昨日まで目の前にあったあの世界はどうしたの?」と、言いたくなるくらいに。


もちろんあなたが経営者でもない限り、あなたの方からは自ら潮目の変化をつくりだすことなぞ、まずできないだろう。

しかしその兆候を感じ取って自らの利となる方向を見出し、自分のために先手をうって動くことなら可能なはずだ。


潮目の変わるときを見抜くことは、難しい。また、その変化のスピードに果たしてついていけるか…ということもある。

しかしながらせめて、日頃から視野を広く持つよう、また嗅覚をとがらせておくようにはしたいものだ。

自分の生活防衛圏だけに関心を寄せていると、そういったことに目が行かなくなってしまいがちだ。

そして問題が目の前にはっきりと「はい、こんにちは」と現れてから、「困った、どうしよう」といって慌てふためくことになる。


「働き口さえ見つかればよい、社会の変化など自分には関係ない」という近視眼的な考え方は、危険なのだ。

転職・就職活動というプライベートな一事においても、目線を手元に固定させずに、全体を幅広く見る気持ちのゆとりを持つように心がけたい。

人と議論して、考えを深める。新聞を読む。講演を聴きにいく。ネットで情報収集する。

自分がこれまでの人生で関わったことのない業界の人と話してみるのも、多くの気づきが得られて有益だろう。


これらは状況を劇的に解決する特効薬では、もちろんない。

しかし体質を改善する、いわば漢方薬的な処方だ。状況の変化に対応するためのあなた自身の力は、明らかに深まるはずだ。


中高年の転職・就職活動においても、とにかく目先の定職が見つかればよいのだ、という近視眼的な発想オンリーだと、予想だにしない方向からくる衝撃に対処する胆力と気力が失われてくる。

ルールの変更が行われつつあるかもしれない…という、変化の潮目を感じ取れるセンスを、日頃から機会あるごとに磨いておきたいものだ。



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