中高年求職者こそ、「ネット検索」を使いこなそう。
いまこれを読んで頂いているということは、あなたは基本的には問題なくインターネットによる「検索」と「文字入力」の二つができる、ということだろう。
結構。これからの時代ネットを使いこなせることは、とりわけ中高年といわれる世代にとっては、それができるだけで実に大きな武器となる。
まがりなりにも「インターネットによる検索」ができるということは、すなわちネットの根本的な強みとなる「情報の洪水の中から、必要な情報を調べあてる」という機能を使いこなす素養が、あなたにも立派にあるということだからだ。
あなたや私のような個人にとって、「情報を調べ、自分が必要とする情報にたどりつく」ためには、いまやインターネット以上に適した媒体はこの世に存在しない。
そしてそれは私たちにとって貴重な2大資源である「時間」「金銭」の節約をももたらしてくれる。
目の前のポンポンとキーボードをたたくだけで、一昔前ならば電車やバスで出かけていき、図書館や書店で時間を使って関連本を探し、本代やコピー代を払ってようやく手に入れていた情報を、自宅にいながらにして瞬時に得ることができる。
むろん、ネットからあなたが手に入れる情報の真贋と正確性は誰も保証してくれるわけではない。
よって、見たサイトだけをそのまま鵜呑みにして動くのは、無防備にすぎると言わざるを得ない。ただし誤った情報に踊らされる危険性は自分なりに裏をとっていくことで、かなりの確率で防ぐことができる。
ひとつの手軽な方法は、あなたが調べる調査対象について出てきた複数の検索結果のうち、情報の発信者が異なるサイトをいくつか選び出し(10個程度でよいだろう)、並行的に中身をチェックしながら、すべてに共通する内容部分を探りあてていくことだ。
要するに、「複数のソース(情報発信源)から得た情報を、組み合わせて」判断を下すようにすること。「総合的判断」、というヤツだ。
AとBのサイトが正反対のことを言っている場合は、どちらの記述が正しいかは、そのままでは信用が置きにくい。
しかし、A・B・C・D・Eという5つの異なる発信者によるサイトで、すべてのサイトが共に同じことを言っているのであれば、それをかなりの確率で信用して動いてよい、という仮説を立てることができる(むろん絶対に正確とはならないが、あなたが100%の正確性とその保証を求めるのであれば、社会的評価の高い有料サービスなどを利用するしかない。求職中の身では、そこまで贅沢も言っていられないだろう)。
また、A・Bという二つのサイトで言っていることが、C・D・E・F・G・Hという六つのサイトで言っていることと異なる場合は、後者のほうが多数意見としてより確からしい、という一応の仮定を置いて、動くこともできるだろう。
いずれのケースでも、情報の発信源に信頼が置けそうなところを含めて判断できるなら、そうするほうがベターだろう(たとえば、官公庁のオフィシャルサイトなど。もっともそれですら、絶対的に正しい情報とは言いがたい昨今ではあるが…)。
またネット以外の情報源(手もとの新聞・雑誌・参考文献や、その方面に詳しい友人の話を聞くなど)もあわせてチェックするようにすると、その情報の正確性と精度に、さらに自信をもてるようになるだろう。
刑事ドラマではないが、「得た情報のウラを取る」姿勢を、習慣として身につけるようにすることだ。
ところであなたは検索をする時、いまだに調べたい単語ひとつだけを打ち込んで、済ませてはいないだろうか?
知っている人には初歩的な話だが、単語の間に空白を開けながらいくつかの調べたい語を一度に検索用ボックスに打ち込んで調べる「複合語検索」などは、いまや常識となっている。
たとえば「転職」だけで調べずに、「中高年 転職 再就職」と3つの単語を、一度に検索ボックスに打ち込んで調べてみるやり方だ。
これ以外にも、「調べたい単語」+「とは」「の方法」「の理由」「評判」「口コミ」といった語を一緒に打ち込んで検索するというのも、すでにポピュラーな検索テクニックである。
色々あるが、ひとつだけサイトを紹介しておく。他にもたくさんあるので、それこそ「検索」して探してみてほしい。そして自分なりに、検索のやり方の幅を広げていってほしい。
どうだろう、ネットを使いこなしているあなたにとっては、つまらない話だっただろうか?
それならば例えば、「失業者を支援するために用意されている国・公的機関・民間の制度」について、あなたは自分のケースで使える制度があるかどうか、あるとしたら候補が幾つくらいありそうかを、すでに調べてみただろうか?
ネットをうまく使いこなせば、自宅にいながらにして、それらの情報も得ることができる。それは、「昨日までのあなたが知らなかったこと」なのではないだろうか?
あなたがどうしても知りたい情報にたどり着くために、主な「検索」テクニックだけでもぜひ身につけてほしい。
きっと、これからのあなたの大きな武器になるだろう。
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