資格は、中高年の就職の武器としては弱いことを知る(2)。
資格は、中高年の就職の武器としては弱いことを知る(1)。からの、続きです。
「中高年の求職者の資格取得は、こと転職・就職・再就職が目的である限り、方法としては遠回りになりますよ」、というお話。
弁護士など、いわゆる士業などの「資格がなければ仕事ができない」という例外を除けば、中高年の求職者が資格取得を目指して自らの時間を大きく費やすことは、かなりリスクの高い行為だと、言わざるを得ない。
その最も大きな理由は、「中高年の就職の現場では、面接側にとって資格保有の有無は、その資格に付随する『実務経験の量』にリンクして着目されることが多い」ことにある。
たとえ難関資格を苦労してとったとしても、取得時期が就職面接の半年ほど前であったなら、実際問題、面接官にとっては、さほどのアピールポイントにはならないのである。
これが新卒の求職者ならば、同じ資格取立てのホヤホヤであっても、印象はガラリと変わる。
彼らには、働きながら実務経験を積み上げていく時間的余裕が、たっぷり残されているからだ。
しかし中高年の求職者に対しては残念ながら、採用側はどうしても「即戦力となるか否か」を求めてくる。
中高年の求職者が仕事をこなしながら、一から実務経験を積み上げていくのを、給料を支払いながら暖かく見守ってくれる余裕のある会社は、残念ながら今日では、ほとんど死滅している(もしそのような会社にめぐりあえたのなら、あなたは、相当な強運の持ち主だ)。
ひいき目にみても、「難しい資格をとるために長時間を勉強に費やすことのできる、忍耐力と根性のある人」という部分だけが、就職面接においては加点ポイントとなるだけだ。
現実としては、「資格はあって当たり前、それで実務経験のほうはどれくらいあるの?」というのが、中高年の求職者を評価するためのキモの部分となっているのである。
だから、ここからが、考えどころである。
限られた時間の使い方として、あなたのこれからの人生にとって「その資格をとりにゆくこと」が最適な命題かどうかが、まさに問われているのだ。
冒頭に書いたように、大型資格をとるための受験勉強だけで、数百時間~数千時間は必要なのだ。
企業が求める実務経験まで身につけるとしたら、その上さらに数千時間上乗せしなくてはならないだろう。
そりゃあ中高年のあなたは、寿命がつきるまではまだまだ時間は残されてはいるだろう。
しかしそれにしても、「就職のための武器を身につける目的で」数千時間も費やすほどに、あなたの人生は充分な時間的余裕に満ちているだろうか?
それなら、勉強時間が比較的少なくてすむ、簡単な資格をたくさんとるのはどうだろうか?
おわかりのとおり、こちらも効果がない。
簡単な資格をいくらとったにせよ、そもそも採用面接ではアピールしないし、むしろ単なる資格マニアかもしれないと、色目で見られる危険だってある。
資格予備校は、パンフレットなどで「転職に有利」などと甘い誘惑フレーズをたくさん並べたてているが、あらゆる世代の資格保持者にとって有利とまでは言っていないはずだ。
中高年にとって有利ということは、決してないのが現実である。
ほとんどハクづけにすら、ならないのだ。
悪いことばかりでもない。
これを逆方向から、メリットとして見るならば、「中高年の就職面接では、資格の有無などはほとんど採用のための考慮要素とならない」ので、仮にあなたが資格をひとつも持っていないにしても、なんら気にかける必要はないわけだ。
むしろ問われるべきは、あなたが「資格試験の勉強に費やしてこなかったその膨大な時間を、それではこれまで、いったい何に費やしてきたのか?」という点なのである。
あなたが時間をつかって積み上げてきたその「何か」が、あなたが就職したい会社にとっても確実に貢献する強いメリットとなるであろうということを、面接官に対して、きちんとアピールできなければならない。
就職の現場において、中高年はたしかに、即戦力が求められている。
しかし肝心なのは、即戦力の「中味」なのだ。
「ビジネスという戦場で、どういう局面の戦いにおいて、あなたの力が戦力として評価されるのか」についての自己分析を、採用面接の場において面接官に理路整然と説明できるよう、あなたは怠りなく準備しておくべきである。
いまから資格試験の勉強に膨大な時間を費やすよりは、そのために時間を使うことが、就職をめざす今のあなたにとっては、はるかに有益な結果をもたらすことになるだろう。
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