「当面の経済的不安」に立ち向かう。(1)
中高年の転職・就職に際して、家庭を抱え、なにかと物入りな中でもっとも不安なことの8・9割は「経済的事情」、すなわち「金銭的不安」であると言い切ってしまっても、別に異論はないだろう。
逆からみれば、会社を辞めた、あるいは辞めさせられた場合に、この問題を永久に解決するメドがたたなかったから、あなたはこれまで様々なつらいことに耐えながら、会社勤めを続けてきたのではないだろうか。
あなたが今の状況に直面している理由はわからないし、しょせんは二つと同じもののない、人それぞれの人生だ。
だから、なぜこうなったのかという話を振り返ってしてみても、仕方のないことだ。
そうなったものは、そうなったのだ。
この話はそれでおしまいで、現在の問題が解決するまでは、忘れてしまうことだ。
忘れられないというのなら、少なくとも、そのことは考えないようにすることだ。
さて、それよりも、現実だ。
あなたは、今後の収入減に、現実問題として直面している。
当面、あなたを支配する悩みは「これまで入ってきた収入が途絶えた場合、現在の生活を安定的に維持していくために、少なくとも当面、どうするべきか?」ということになる。
雇用(失業)保険をもらえるのであれば、当面それが収入のメインになる人も多いだろう。
転職活動中の場合は、貯金を取り崩しながら、という状況の人も多いかもしれない。
中高年の転職・就職に限った話でもないかもしれないが、金銭的不安に直面したほとんどの人が、やったほうがよいとほぼ確実にいえることが、二つある。
次の「当面の経済的不安」に立ち向かう。(2)では、その二つについて、述べてみたい。
「当面の経済的不安」に立ち向かう。(2)
金銭的不安に直面しているあなたがやったほうがよい、二つのこと。
ひとつは、「現時点のあなたの資力の、洗い出し」である。
早い話、今の生活水準を維持するとしたら、現在のあなたの資力で、どれくらいの期間持ちそうかを調べるということだ。
何ヶ月くらい大丈夫そうか、あるいは一年以上はOKか。
その期間が短い場合は、期間を延ばすため、生活水準をある程度落としていかざるを得ないかもしれない。
では実行可能な範囲で生活水準を落とした場合には、どれくらいその延長が可能なのか。
そういうこともあわせて、シミュレートしていく。
そしてもうひとつは、「あなたが予定する今後の収入と、支出の計画」だ。
特に支出は、居住費や住民税のような「絶対に避けられない支出」と、食費や教養娯楽費のように「節約や使用中止によって抑制可能な支出」の、少なくとも二通りくらいには分けておくことだ。
その結果、「毎月×万円程度の赤字は、まず絶対発生しそうだ」とか、ある程度問題の所在が明らかになってきたら、次にその問題の解決を、当面の「わが家の最重要経済問題」に据え置いて考えるようにする。
赤字の先送りは可能なのか、借入によってある程度返済金額を平準化していけるか、マイカーを売ればある程度補填できるか、などと考え、現状から出発した案をいくつか出すことができるだろう。
理屈の上では、当面の金銭的問題の手当てのメドがたちさえすれば、あとはあなたが全力でとりくむべき問題を「現在の仕事がない状態を、いかに仕事のある状態にもってくるか」というただ一点に絞ることができるはずだ。
「結局、職探しにつきるんだろう、同じじゃないか」と思った方。
それを、思考停止状態というのだ。
自分自身が有限なエネルギー補給によって支えられている、疲れやすい生身の肉体であることを、あなたはすっかり忘れているのではないか。
まして、あなたはストレスに今この瞬間さらされ、体力的にも昔ほどの自信がなくなりつつある、中高年世代ではないか。
たくさんの不安と問題をかかえたまま日々をすごすことに比べて、問題の所在を明らかにしたうえで、解決すべきことを「職を得ること」の一点に絞り込んだ場合、あなたが感じるエネルギーのロスと精神的ストレス・肉体的な疲れが、どれほど軽減されることか。
いまのあなたは、新しく病気を背負い込んで寝込んでいる余裕はないはずだ。
人間は弱い面をもっていて、実に多くの人が、不安に直面したときに現実から目をそむけてしまい、思考停止状態に陥ってしまう。
黙って固まっていれば、助けてくれて、すべてを解決してくれる誰かがあなたのそばにいるなら、それもいいだろう。
人は、そんなに強いものじゃないし、助けてもらえる立場なら、素直に助けてもらうのも悪くないと思うから。
しかし、もし当面誰も助けてくれそうになくて、むしろあなたにとって支えるべき家族や大切な人がいるなら、あなたは、いま固まっていてはダメだ。
あなたは、気力を振るって、再び動き出さなければならない。
どうして今の状態に至ったのかという過去は、分析する必要なんかない。
しかし、現状とこれからについての予測は、あなたとあなたの大切な人のために、目をそらさずに、具体的に分析しておかなければならないのだ。
「一定の生活リズムとスタイル」を、つくることの効用。
これまでは、前日どんなに寝不足であろうとも眠い目をこすり、また酷暑だろうと雨だろうとネクタイを締めて、満員電車に乗り、毎日会社へと向かっていた。
イヤでたまらなかった人もいるだろうし、なんとなくなつかしく思い返している人もひょっとしたらいるかもしれないが、少なくともそこには一定の「生活のリズム」というものが、あったはずだ。
人間のカラダというものは存外、リズムを大切にする。
「体内時計は25時間」という話を聞いたことがある人も、多いだろう。
(参考まで、これも読んで欲しい)
サラリーマンでいるうちは、あなたの意向に関わりなく、半ば強制的に、この一定のリズムが、
あなたの生活スケジュールとして組み込まれていた。
朝になれば、いやおうなく会社に向かう道で太陽の光を浴び、満員電車の中で苦しい姿勢で朝刊を読むことによって、大脳も活動をはじめた。
駅から会社まで歩く道のりはちょっとした運動にもなったし、それから会社で多くの同僚と会話を
しながら、今日一日の仕事にあけくれる準備を、意識せずともしていたわけだ。
さて、もし今のあなたが転職・再就職活動中にあって、これらの半強制的な「通勤という習慣」から解き放たれている状態にあるのなら、次週のはじめからでも、今の状況下における一定の生活リズムを自分なりに設計し、基本的にそれに従って、日々生活していくことをオススメしたい。
「せっかく、強制のない自由な日々を手に入れたのに…」と思われるかもしれないが、自分に24時間を好きなように管理させると、たいていの人間はダラダラと緊張感の乏しい、自らにとって楽でルーズな方向に流れていく。
夜は酒でも飲んで寝たいだけ寝、好きな時間に起きてゴロゴロ…という生活をしていると、腹回りの肉はだぶつく一方、そのうちに顔つきまで、だらしなくなっていく。
ネクタイの締め方を忘れたり、久しぶりにはいてみたスラックスのベルトの穴が、ひとつ緩めないと入らなくなっていたりしたら、強烈な危険信号がでていると思っておいたほうがいい。
(さぁ、今すぐネクタイとスーツ、ベルトを持ってきて、試してみるといい)
私たちはたぶん、経済的心配のいっさいない、すべての時間が自分の自由になる、満ち足りた生活をイメージし、心の奥底では追い求めているのだろう。
しかし、たぶん「人の生活」というものは、なにがしかの「苦痛」と「強制」、「心配・不安」と「我慢」といったスパイスを効かせないことには、感受性や神経が鈍ってしまい、後で思い出せないくらいにのっぺりと起伏の乏しい、怠惰と惰性の日々に流れてしまいがちなものなのだ。
「喜び」や「楽しみ」を、細胞から感じ取って味わうことのできないカラダになってしまってからでは、のちのちその矯正に、ひどく苦労することになるだろう。
というか、それほど遠くない時期、おそらくは再就職が成功して新しい会社に出社した時などに、そのことを強く感じるはずだ。
「あぁ、自分はすっかり、浦島太郎になってしまっている…」と。
社会復帰(笑)する時期は人によってそれぞれだろうが、たとえそれがずっと先のことになろうとも、その時点ですぐに新環境に対応できるようになるために、今すぐにでも、出来ることがある。
それこそが「生活のリズムとスタイルをつくって、日々暮らすこと」だ。
なに、身構えなくとも、まずは下記に掲げる最低限のいくつかのことを行うよう、心がけるだけでよい。
慣れてきたら、自分なりにアレンジして、工夫を加えていくようにすることだ。
そして最終的には、あなたなりの生活スタイルというものを確立するのだ。
・就寝時間と起床時間を、一定にする。
毎日の起きる時間と寝る時間がバラバラでは、全然ダメだ。
特に寝る時間が多少前後しても、朝起きる時間は、できるだけいつも同じ時刻になるように保つことが、生活のリズム形成のために、非常に大事なこととされている。
寝不足のときは、その分30分でも、昼寝や仮眠をして、あとで補うこと。
最初のうちは、メモや日記に、起床時間と就寝時間だけはつけておいて、時々意識しながらチェックしてみるのがよいだろう。
そして、起きたらコップ一杯の水を飲んで、寝ている間に失われた水分補給をする。
その後で窓を開け、太陽の光に体をさらすこと。
これらのことも、朝の決まりごととして必ずやったほうがよい。
・週一日のうち、必ず一定の運動時間を設ける。
運動といっても、ハードなものは不要だ。
散歩くらいに考えておくとよい。
家に何日もこもりきり、ではダメだ。
たまには、食事のおかずを買いにスーパーに行き、遠回りをして戻ってくる。
または、犬の散歩の距離を伸ばしてみる。
自分なりの工夫をして、運動のために一日数十分の時間を「捨てる」覚悟が必要だ(「捨てる」といっても、健康維持に役立つ以上、「投資」であるとも言えるかもしれない。いずれにせよ、決して無駄な時間にはならない)。
・「×日は、××をする日」というのを、いくつかは約束事として決めておく。
自分なりのイベントをいくつか、一週間のスケジュールに、組み込んでおく。
資格試験や語学などの習い事や、再就職活動のための調査・学習の日などを、あらかじめ曜日・時間帯まで、決めておくとよいだろう。
そして、決めたスケジュールの開始時間と終了時間をできるだけ守るようにして、それらを習慣化していくことだ。
・週に一度、体重をチェックして記録する。
体重は、健康のバロメーターだ。
増加傾向にある場合は運動不足のはずだ、なんらかの運動を生活スケジュールに組み込まねばならない。
・毎日ちゃんと、鏡をみる。
鏡で表情を毎日見ることは、特に男性諸氏にすすめたい。
表情のはり、皮膚のつや、あごのたるみなどを鏡の前でチェックし、笑ったり口を大きく開いたりして、顔の筋肉を意図的に動かす練習もすることだ。
気をつけないと、能面のような感情の起伏のない、サビシイ顔つきになってしまうぞ。
・スケジュールは余裕を持たせ、一週間の中で必ず、「遊び」の日も持たせる。
毎日、判で押したように同じスケジュールを繰りかえせ、と言うつもりはない。
第一、それではとても続かない(笑)。
サラリーマンが土日に休むように、週に一日か二日は制約をとりはらって、好きなようにする日を、意識して設けるのがよい。
好きなように過ごす息抜きの日があることで、他の様々な制約を自分に課した日々が、際立って活きてくるのだ。
ひとつアドバイスするなら、できれば安息日は、土日以外にしたほうがいい。
土日に自分を解放しないことによって、自分がサラリーマンと違う立場にあることを何かと意識できることが、理由のひとつ。
そして、もうひとつの理由は、平日の人の少ないときに休むほうが、なにかとメリットが多く、休日を満喫できるチャンスが増すことだ。
ウィークディは割引などやっている娯楽施設もたくさんあるし、平日のガラガラのスパや温泉でくつろぐのも、特権的な気分になれて(笑)なかなか悪くない。
以上、生活リズムつくりにあたって、最低限心がけたいことをまとめてみた。
日々の生活が、なんらかの規律に維持されていることを自覚することは、人間の本能に即した行為であるためか、意外と心地よいものだ。
サラリーマン社会は、そういう本能を利用して形成されたものかもしれない、とたまに思うくらいである。
さて、来週のはじめからスタートできるように、どういう生活リズムにしていくか、さっそく今晩から、色々とプランを練ってみてはいかがだろうか?
年金掛金の支払だけは続ける。
社保庁の年金記録漏れ問題で世間的にはいろいろ騒がれてはいるが、いくら目先が苦しいかろうと、マスコミのあおり報道に踊らされ、支払滞納を続けたり自分から支払を止めてしまって、みすみす受給資格を失ってしまうような愚かしい真似を、あなたは絶対にしてはならない。
中高年のあなたは、今でさえ現実が厳しいのに、将来さらに体力が衰えた段階で年金無しで、いったいどうやって生活していくつもりなのか。
日本が国家的財政危機に直面しており、年金財政も厳しいのは事実であるが、まともな国家である以上、踏み倒しなどはありえないことだ。
支給額の減額だって、一定ラインで踏みとどまらなければ、政局が倒れ国が混乱するだけなので、そもそもそう無茶なことは、国家構造的にできないのだ。
特に年金は、平均寿命をベースに試算したとしても、支払った保険料総額の倍近い金額が戻ってくる計算になる。
計算の仕方にもよるが、いまの民間では太刀打ちできそうなまともな金融商品がちょっと見当たらない、「高利回り商品」なのである(参考リンク「厚生年金、国民年金の財政」 厚生労働省ホームページ)。
まして民間企業ならば倒産などのリスクに常にさらされるが、払込先は国であるし、国家破産の問題を脇に置いて論じれば、現在の日本ではもっとも安全な預け先である。
公的年金制度に関する考え方Q&A (社会保険庁)
今回の社保庁騒動で、今後は国も一層、アバウトなマネをしづらくなるだろうし、紆余曲折はあろうとも、事務処理不安の問題だって解決の方向に向かうだろう。
さらにリスクがもうひとつ、減ったことにもなるではないか。
もろもろ考えると、間違っても支給要件を失うことのないよう、年金掛金だけは、なんとしてもちゃんと払っておくべきだ。
原則「60歳まで25年以上の保険料納付」という国民年金の受給要件は、なんとしても満たしておく必要がある。
この受給条件を満たさなければ、国民年金(過去の厚生年金も)は一円ももらえず、サラリーマン時代に天引きされていた分が、まるまる払い損になってしまう。
いずれは必ずあなたの生活の礎として、活きてくるお金であることは確実なのだから。
失職して一時的に苦しいときなどは、保険料の免除制度、一部納付(猶予)制度も用意されているので、社会保険事務所に尋ねて、使えるのかどうかを調べてみよう。
しかもこの保険料の納付免除制度にもとづきく申請が認められた場合は、「10年以内なら」免除を受けた期間内の保険料を後から納めることができる「追納」制度を利用できるのも大きなメリットだ(当時の保険料に加算金は付くが)。
数年後の挽回チャンスを、現時点でキープしておくことができるわけだ。
これが手続きを踏まない単なる未納だと、後から追納できるおカネが作れたとしても、さかのぼって納められるのは「過去2年分だけ」になってしまう。
以下に、該当する社会保険庁のホームページを、掲載しておく。
国民年金保険料 退職(失業)による特例免除
国民年金保険料の全額免除制度、一部納付(免除)制度、若年者納付猶予制度
自分で調べて、尋ねて、申請しないと、たとえ便利な制度が用意されていたとしても、宝の持ち腐れになってしまう。
退職後、加入していた厚生年金・厚生年金基金はどうなる。
あなたが、勤めていた会社を、退職したとする。
これまで会社の厚生年金に加入していて(月々の給料から、国民年金分と共に天引きされていたはずだ)、退職後は国民年金だけの加入になるような場合、これまで払ってきた厚生年金は一体どうなるのか、疑問に思ったことはないだろうか。
退職によって、これまで支払った分はすべて無駄になってしまうのだろうか?
結論から言えば、これまで払ってきた厚生年金が、無駄になることはない。
会社で厚生年金に加入していれば、「老齢厚生年金」をもらうことができるからだ。
ただし、国民年金に加入し、受給資格期間である「公的年金加入25年以上」という要件を満たさなければならない。
呼び名を整理しておこう。
受給資格要件を満たした国民年金の加入者が受け取る年金は、「老齢基礎年金」と呼ばれ、名称こそ違えど、平たく言えば「国民年金そのもの」である。
厚生年金の加入者は、自動的に国民年金にも加入している。
したがって、「老齢基礎年金(国民年金)」にプラスする形で、「老齢厚生年金」を受け取ることができる。
サラリーマンが会社を退職した後は、自らが属する「第2号被保険者」から、自営業者や失業者が属する「第1号被保険者」への、被保険者の切り替え手続きを、住所地の市役所にいって、「自分で」行わなければならない。
(そしてご存知のとおり、その後は「第1号被保険者」として、全額を自分自身で支払うことになるわけだが)
「老齢厚生年金」は、「老齢基礎年金」の支給要件、すなわち受給資格期間となる「公的年金加入25年以上」という要件を満たしていれば、もらうことができる。
もらえる金額は被保険者期間などを加味した、一定の計算式によることになる。
そうなると、原則として65歳から、老齢基礎年金(国民年金)と老齢厚生年金をダブルで受給することができ、今まで納めた厚生年金保険の保険料が無駄にはならないわけだ。
だから、「老齢基礎年金」の支給要件となる「公的年金加入25年以上」だけは、何が何でも満たす必要がある。
年金制度が破綻するかもしれないなどと、メディアの騒ぎにのって払うのを止めてしまったり、切替えの手続きをせずにほったらかしにしたりすることが、もっとも愚かなことであり、その場合数十年後に泣きをみるのは、自分だ(年金掛金の支払だけは続ける。 のコラムも、あわせて読んで欲しい)。
この「老齢厚生年金」を受け取るには、「老齢基礎年金」と同様、やはり本人(自分)からの手続きが必要になる。
受給年齢になると、自動的に年金を受け取れるようになるわけではないので注意しよう。
社会保険事務所に「裁定請求書」という書類を、提出する必要がある。
さて、もうひとつ忘れられがちなものに、勤めていた企業に「厚生年金基金」があった場合で、老齢厚生年金の報酬比例部分を国にかわって運用することから得られる、「老齢厚生年金の上乗せ部分」がある場合がある。
これは、厚生年金基金から支給されるものだ。
基金のある会社に10年(ないし15年)以上の長きに渡り勤めた場合は、加入していたその会社の厚生年金基金に、また勤務年数が10年未満で転職してその基金を中途脱退したり、あるいは企業が廃業してその企業の厚生年金基金が解散した場合には、「企業年金連合会」に請求することになる。
中途脱退の場合でも、その企業での厚生年金基金の加入期間が一ヶ月以上あれば支給される。
また注意すべき点だが、この「老齢厚生年金の上乗せ部分」は、国の年金の受給資格となる「公的年金加入25年以上」に関わりなく、支払われるのだ。
ただし、受給開始年齢は人によって異なるが、60歳-65歳からとなる。
しかしなんと、60歳になっても、この制度にもとづいて請求していない人は124万人、未払い金の総額は、1544億円にも達するそうである。
その最たる理由は、この制度も公的年金と同様に、自ら申請しなければ支給されないという「申請主義」をとっていることだ。
これは、自分がもらえるということに気づいていない人などが相当に多いためと、推測されている。
お役所は、「受給資格ができましたよ」と先回りして親切に教えてくれるわけでもないし(60歳前に一度、通知はしてくれるが)、あなたの転居先まで追いかけて教えてくれるわけでもない。
この制度は幸いにして、時効が設けられていないので、いつであってもきちんと記録を確認して申請さえすれば、受給することができるはずだ。
見逃していた人は、この際、再度確認しておくようにしよう。
まずは企業年金連合会のこの解説ページを参照して、自分の場合はどのケースにあたるのかを、チェックして欲しい。
具体的に確認したい方は企業年金コールセンターに電話してみるか、「企業年金記録確認サービス」も用意されているので、問い合わせてみるのもよいだろう。
パート・アルバイト、気をつけるべきこと。
中高年でパート・アルバイトをはじめる場合、実際上気をつけるべきことについて、書く。
まず、中高年であるあなたが、現在雇用(失業)保険を受ける予定かどうか(ないしは、今、受給しているかどうか)。
パート・アルバイトで得たバイト代は、雇用(失業)保険上、その日数分の基本手当が支給されなくなる。
ただし、その支給は後送り扱いになるので、最終的には基本日数分は得られるわけであるが(ただし家の手伝いや内職の場合は別で、後送りでなく減額)、だからといって、たとえば雇用(失業)保険で一日6,000円支給されるにもかかわらず、一日7時間働いて5,500円のアルバイト代をもらうことが、あなたにとって本当に有効な時間の使い方なのだろうか?ということである。
(これについては、パート・アルバイトの本質は、「時間」の切り売り。もぜひ読んでほしい。)
それに雇用(失業)保険では、受給期間の締切(受給期間満了年月日)もあるし、また何日分の基本手当支給をもって打ち切りとするかの日数を定めた「所定給付日数」も決まっている。
そのあたりの制限にかかってくるかも考え合わせていかないと、雇用(失業)保険をもらいながらパート・アルバイトをしたほうが、あなたにとって最終的にトクになるかどうかについては、なんとも言いがたい。
金額的にも、もちろん時間的にも、だが。
雇用(失業)保険の認定では、就職にはパート・アルバイトも、定義上は含まれる。
よって、短期で数日間というレベルならともかく、パート・アルバイトとしての勤務状況や待遇が完全に安定してしまった場合は、「継続して雇用した」とみなされ、以降は雇用(失業)保険が支給されなくなる恐れがある。
この判断基準は、一日に何時間パート・アルバイトをしていたか、ということには関わりなく、判定される。
したがって、あなたが雇用(失業)保険で得ている基本手当のプラス・アルファとしてパート・アルバイト代を見込んでいた場合は、オオゴトになってしまう。
そもそも、雇用(失業)保険の認定については、いつでも就職できるということに加えて、「就職をしようとする意思」と「現在積極的に仕事を探している状態」が、必要とされている。
パート・アルバイトをあまりにも持続的に熱心にやっていると、そもそもその「就職をしようとする意思」があるのかを、ハローワークに疑われてしまうわけだ。
あとは、妙なアドバイスと思われるかもしれないが、パート・アルバイトをするなら、その職場があまり居心地のよいものとならぬよう、気をつけることだ。
職場の同僚や上司とも、私生活にまでつきあいを広げたりするような過度の仲良しにはならぬよう、なるべく自制したほうがよい。
理由は簡単。
職場の居心地がよくなればなるほど、あなたは本来の目的を忘れ、ズルズルとなりがちなためだ。
人はどうしたって、楽で居心地のよい環境に、抗(あらが)いずらくなるものだ。
そのまま一年も二年も、そこでパート生活を続けることが、あなたの目指してきたことなのだろうか?
パート・アルバイトを続ける一番の危険は、むしろここにあるといえるかもしれない。
人は自分の日常に、程度の差こそあれ必ず慣れてくる。
その慣れが心地よく感じてしまったら、転職・再就職・起業を志すあなたにとってそれは危険信号となる。
このことをよくおぼえておくことだ。
中高年求職者こそ、「ネット検索」を使いこなそう。
今、これを読んでいただいているということは、あなたは基本的には問題なく「インターネットによる検索」と、熟練度の違いはあるといえども「キーボードによる文字入力」の二つができる、ということだろう。
結構。
これからの時代、ネットを使いこなせることは、とりわけ中高年といわれる世代にとっては、それができるだけで実に大きな武器となる。
まがりなりにも「インターネットによる検索」ができるということは、すなわち、ネットの根本的な強みとなる「情報の洪水の中から、必要な情報を調べあてる」という機能を使いこなす素養が、あなたにも立派にある、ということだからだ。
あなたや私のような個人にとっては、「情報を調べ、自分が必要とする情報にたどりつく」ためには、いまやインターネット以上に適した媒体は、この世に存在しない。
そしてそれは、私たちにとって貴重な2大資源である「時間」と「金銭」の節約をも、もたらしてくれる。
目の前のポンポンとキーボードをたたくだけで、一昔前ならば電車やバスで出かけていき、図書館や書店で時間を使って関連本を探し、本代やコピー代を払ってようやく手に入れていた情報を、自宅にいながらにして、短時間で得ることができる。
むろん、ネットからあなたが手に入れる情報は、その真贋と正確性を、誰も保証してくれるわけではない。
よって、見たサイトだけをそのまま鵜呑みにして動くのは、無防備にすぎるといわざるを得ない。
ただし、誤った情報に踊らされることは、自分なりに裏をとっていくことによって、かなりの確率で防ぐことはできる。
ひとつの手軽な方法は、あなたが調べる調査対象について出てきた複数の検索結果のうち、情報の発信者が異なるサイトをいくつか選び出し(10個程度でよいだろう)、並行的に中身をチェックしながら、すべてに共通する内容部分を探りあてていくことだ。
要するに、「複数のソース(情報発信源)から得た情報を、組み合わせて」判断を下すようにすること。
総合的判断、というヤツだ。
AとBのサイトが正反対のことを言っている場合は、どちらの記述が正しいかは、そのままでは信用が置きにくい。
しかし、A・B・C・D・Eという5つの異なる発信者によるサイトで、すべてのサイトが共に同じことを言っているのであれば、それをかなりの確率で信用して動いてよい、という仮定に立つことができる(むろんそれで絶対に正確とはならないが、あなたが正確性に絶対の保証を求めるのであれば、有料サービスなどを利用するしかない。あまり贅沢も言っていられないだろう)。
また、A・Bという二つのサイトで言っていることが、C・D・E・F・G・Hという六つのサイトで言っていることと異なる場合は、後者のほうが、多数意見としてより確からしい、という仮定を置いて動くこともできるだろう。
いずれのケースでも、情報の発信源に信頼が置けそうなところを含めて判断できるなら、そうするほうがベターだろう(たとえば、官公庁のオフィシャルサイトなど。もっとも、それですら、絶対的に正しい情報とは言いがたい昨今ではあるが)。
また、ネット以外の情報源(手もとの新聞・雑誌・参考文献や、その方面に詳しい友人の話を聞くなど)もあわせてチェックするようにすると、さらに正確性と精度に自信をもてるようになるだろう。
刑事ドラマではないが、「得た情報のウラを取る」姿勢を、習慣として身につけるようにすることだ。
ところで、検索をするときに、いまだに単に調べたい単語ひとつだけを打ち込んで、済ませていないだろうか?
知っている人にはもはや初歩的な話だが、単語の間に空白を開けながら、いくつかの調べたい語を一度に検索用ボックスに打ち込んで調べる「複合語検索」が、いまや常識となりつつある。
たとえば「転職」だけで調べずに、「中高年 転職 再就職」と3つの単語を、一度に検索ボックスに打ち込んで、調べてみるやり方だ。
これ以外にも、「調べたい単語」+「とは」「の方法」「の理由」「評判」「口コミ」といった語を一緒に打ち込んで検索するというのも、今やポピュラーなテクニックである。
色々あるが、ひとつだけサイトを紹介しておく。
他にもたくさんあるので、それこそ「検索」して、探してみてほしい。
そして自分なりに、検索のやり方の幅を、広げていってほしい。
どうだろう、ネットを使いこなしているあなたにとっては、つまらない話だっただろうか?
それならば、たとえば、「失業者を支援するために用意されている国・公的機関・民間の制度」について、あなたは自分のケースで使える制度があるかどうか、加えていくつくらいありそうか、すでに調べてみただろうか?
ネットをうまく使いこなせば、自宅にいながらにして、それらの情報も得ることができる。
それは、昨日までのあなたが、知らなかったことだ。
ネットを通じてあなたがどうしても知りたい情報にたどり着くための、「検索」のテクニックの主なものだけでも、ぜひ身につけてほしい。
きっと、これからのあなたの、大きな武器になるだろう。
失業保険認定の要件となる「求職活動」を活用する。
現在、もしくはこれから雇用(失業)保険のお世話になろうとする方は、ハローワークが開催する「雇用保険説明会」なるものを、最初に聞きにいくことになる(このこと自体が、「一回の求職活動実績」として、カウントされたりもするのだが)。
そして、雇用(失業)保険をもらうためには、再就職をするための求職活動を行う必要がある、と言われ、4週間に1度ハローワークに行って失業の認定を受ける折には、「原則として、月に最低2回以上」の求職活動実績を認定してもらう必要がある、という趣旨の説明を受けるはずだ。
これを満たしていないと、その月に予定していた雇用(失業)保険を、もらうことはできない訳だ(要件を満たすまで、給付が後送りになってしまう。また、自己都合退職の場合は、求職活動認定要件がもう少し厳しくなる場合がある)。
というわけで、文字どおりの「求職活動」にいそしむこととなったり、ハローワーク備え付けのパソコンで求職票をせっせと閲覧したりするわけだが、この求職活動としてハローワークが認定し一回分としてカウントしてくれる活動の内容が案外と幅広いものとなっていることは、ご存知だろうか。
「雇用保険説明会」で、手引きとして小冊子を配ってくれるはずだが、その中にあげられている項目をみると、本来的な求職活動に加え、
・「公的機関等が行う企業説明会等への参加及び職業相談」
・「就職支援講習・セミナー・キャリアアップガイダンス等への参加」
・「再就職に資する国家試験、検定等の資格試験の受験」
といった活動も、求職活動実績としてカウントされる中に含まれているのだ。
ハローワークに通いつめて求職票を丹念に見たり、職業相談を受けるのももちろんよいが、仕事ほしさのあまり近視眼的に繰り返しそればかりやっていると、だんだんと煮詰まってくるというか、マンネリ化してくるものだ。
とりわけ、我々中高年にとっては、そうそう希望に近い線の求職票が日々企業から追加されてくるわけでもないし、ハローワークの相談員だって、そうしょっちゅう面談を求めらても、いつも目新しいアドバイスを提供できるものでもない。
同じような精神論を聞かされたところで、得られるものも多くはなかろう。
それよりは、ハローワークの外に出て、現在の自分の職業上のキャリアの延長線上にあるような内容の講演やセミナーに出席したり、あるいは独立起業も視野にいれて、各種の起業関連セミナーに出席してみることを、おすすめしたい。
これらのセミナーは、大抵は無料で開催しているはずだが、中身はどうしてどうして、無料ではもったいないくらいの濃い内容である場合も多い。
主催者が雇用・能力開発機構などの公的機関である場合は、講師も一線級の現場経験が豊富な人間を、用意してくれたりする。
また、聴講対象者が必ずしも求職者だけに限定されていないセミナーなども多いため、得られる情報の間口が広くなる点も見逃せない。
たとえば「起業時の資金調達セミナー」などでは、銀行の融資担当者の実践的なセミナーのあと、質問コーナーでは、現在個人事業を営んでいる聴講者や、金融機関から是が非でも追加融資を受けたい中小企業の社長さんなどが活発に質問をしたりして、実に熱気にあふれたセミナー風景となったりすることもあるのだ。
そういう生の声を聞いておくだけでも、再就職するにせよ起業するにせよ、アナタの将来を形成するための血肉となることは、確かだろう。
加えて、これらのセミナーへの参加が、一回の求職活動として、雇用(失業)保険の受給要件にも貢献してくれる。
いつもハローワークばかりに通っているだけではなく、自分の間口を広げ新しい知識を得るチャンスと前向きにとらえて、自らに有益だと思われる外部のセミナーや講習などに積極的に参加してみることを、強くオススメする。
資格試験の受験においても、同様だ。
サラリーマンをしていたときよりは、学習時間はずっと取りやすいはずだ。
有難いことに、失業保険をもらっている真っ最中であっても、資格をとりたい場合には「雇用保険法の教育訓練給付」が使える。
平成19年10月1日以降にはじめて指定講座を受講する人は、1年以上の被保険者期間さえあれば、教育訓練経費(入学金+受講料金)の合計額の20%が10万円を上限に支給される。
資格の取得を考えている人は、大いに利用したらよいだろう(制度の詳細と、給付の対象講座を探すページも、参考まで載せておこう)。
ひとつだけ注意点だが、求職活動としてカウントされるセミナー・講習・資格試験であるかどうかの判断権と決定権は、ハローワーク側にある。
自分で大丈夫だろうと勝手に思い込まずに、求職活動の実績として認定されるものかどうかを、事前にハローワークにきちんと確認してから、出席するようにしよう。
雇用保険の失業給付を受けている間に知っておきたい、支援制度(1)。
雇用保険(失業保険)がらみでおなじみの制度といえば、「教育訓練給付金」制度があるが(失業保険認定の要件となる「求職活動」を活用する。ご参照)、それ以外にもハローワークあるいは雇用保険関連で、いざというときのために知っておいたほうがよい制度がいくつかあるので、ここでご紹介しておく。
事を起こす前に、よく調べたか。でも書いたが、いくらよい制度が用意されていても、利用しようとする側がそもそもその制度の存在を知らなければ、話にならない。
ハローワークに通って雇用保険の失業給付を受けながら、転職・就職あるいは再就職活動をしている人たちが、失業給付が切れる前に次の職にスムーズに移ることができるなら、もちろんそれが一番よい。
しかし中高年層の就職が厳しい昨今、どうしてもうまくいかず雇用保険が切れた後も貯金を取り崩しながら、しばらく自力でがんばらなくてはならない人たちもまた多いことだろう。
それならまだよいほうで、実は退職時に会社が雇用保険への加入手続きをしていなかったことが判明し、転職活動の最初からすべて手弁当を強いられるという笑えないケースすらある。
また中高年の転職マーケットのあまりに厳しい状況をみて、転職活動を行いつつも「これまでの経験を活かした独立ができないものか」と方向転換を考えはじめる人も、中には当然いることだろう。
なので、現在ハローワークで求職票と取り組んでいる人たちは、少なくともこういった制度の存在については知っておくべきだし、自分がなんとか条件にあてはまるようにできないか(あるいは条件のあてはまるうちに、チャレンジできないものか)どうか、転職・再就職活動を行いながらも並行的に調べておくとよいだろう。
断っておくが、利用希望者みんながみんな、これらの制度を利用できるとは限らない。
最初に述べる「公共職業訓練」などは、いまやその存在がかなり有名になってしまい、競争率も全体にかなり厳しくなっているという話も聞く(ただし現在は、以下に述べる「基金訓練」が追加されているが)。
自分の地域の状況はどうなっているのか、ハローワークなどで事前に情報を仕入れたうえで自分も応募の可能性があるとみたなら、せっかく国が予算を用意してつけてくれているのだし、前向きに申し込んでみるとよいだろう。
・「公共職業訓練(離職者訓練)」
「公共職業訓練」は、大きくわけて国が運営するものと、職業能力開発促進法に基づいて都道府県・市町村などが運営するものと二つある。
ハローワークで求職活動をしている求職者にとって重要なのは、国(独立行政法人 雇用・能力開発機構)が行う「離職者訓練」のほうである(在職者のためのものもあるが、ここでは割愛)。
一般的にはハローワークを通じて申し込みを行い、民間教育訓練機関(訓練期間は標準3ヶ月)ないし同機構の訓練施設「職業能力開発促進センター(ポリテクセンターと呼ばれる。訓練期間は標準6ヶ月)」で、設定された訓練コースを受ける。
前者の民間教育訓練機関はオフィス業務系、後者のポリテクセンターは金属加工・電気設備・ビル管理・生産システム技術などが主な訓練内容となる。
どのようなコースがあるかについては、「教育訓練期間・コース情報」を参照のこと。
受講料は無料(教材代などを除く)で、特殊な分野における実践的な知識と技術を習得できる。
この「公共職業訓練」は、「雇用保険の受給資格があるうちに受講すると、失業給付が職業訓練の終了時(最大2年)まで延長される」点がメリットとなる。
また自己都合で退職した場合で給付制限中であっても、訓練が始まれば失業給付を受け取ることができる。
さらにそれ以外にも、寄宿手当(家以外の場所から通う場合の手当)や通所手当(交通費)、受講手当(訓練受講日の手当)などの諸手当が支給される。
「離職者訓練」の申し込み条件としては、ハローワークに求職登録を行っており、現在仕事をしていないことが必要。また申し込みは必ずハローワークに対して行う。
ハローワークでは申込受付において、失業給付の支給残日数や年齢など、一定の要件・条件を設けているので注意したい。
また訓練コースによっては競争率が相当に厳しい場合があるし、申込がOKでもその後は通常、筆記試験や面接試験が行われる。
地域によって多少運用が異なる部分があるようなので、詳細はまず管轄地域のハローワークに問い合わせること。
・独立行政法人 雇用・能力開発機構
・「緊急人材育成支援事業(基金訓練、訓練・生活支援給付)」
これまで職業訓練の受講にあたっては、ハローワークの求職登録や雇用保険の支給残日数の存在などが申込の要件であった。
しかし2009年7月から国は追加的な雇用対策として、雇用保険を受給していない人にも対象を広げた職業訓練(基金訓練)の実施、さらには訓練期間中に月12万円(単身者は月10万円)の生活支援給付金を支給(訓練・生活支援給付)するという「緊急人材育成支援事業」をスタートさせている。
さらに生活支援給付金だけでは生活費が不足する場合を鑑み、希望者は労働金庫から、上限月額8万円(単身者は月5万円)の低利貸付を受けることができる。
訓練・生活支援給付を受けるには雇用保険に加入していなくともよいが、ハローワークのあっせんを受けて職業訓練(基金訓練)を受講する必要がある。
また過去に公共職業訓練を受講していても、訓練終了後1年以上経過しているなど一定の条件を満たしていれば申し込める。
世帯の年収や預貯金に関わる一定の申込要件が設けられているので、申込に必要な手続や書類と共に、詳細は以下で確認のこと。
・訓練・生活支援給付(厚生労働省)
・基金訓練、訓練・生活支援給付金 ご案内(厚生労働省)
・緊急人材育成支援事業Q&A(厚生労働省)
基金訓練は、再就職に必要なITスキル等習得に関わる訓練(3ヶ月)、医療、介護・福祉、IT、電気設備、農林水産業に関わる訓練(6ヶ月~1年)で、訓練の情報は中央職業能力開発協会や、もよりのハローワークで確認できる。
・中央職業能力開発協会
雇用保険の失業給付を受けている間に知っておきたい、各種支援制度(2)。 に続きます。
雇用保険の失業給付を受けている間に知っておきたい、支援制度(2)。
雇用保険の失業給付を受けている間に知っておきたい、支援制度(1)。 からの続きです。
・「総合支援資金貸付」
2009年10月、低所得者への生活資金の低利融資を目的とする生活福祉資金貸付制度が、「総合支援資金貸付」へと改訂された。
1955年から続く生活福祉資金貸付制度は、厚生労働省所管のもと各都道府県におかれる「社会福祉協議会」が運営していたが、貸付資金の種類が10種類もあって複雑なうえ、窓口や手続方法も複数に分かれていて大変使いにくい、との声が強かった。
融資条件も厳しく、失業者のセーフティネットとして機能していない、との批判の声も出ていた。
またこれまで失業者への対策がハローワークおよび雇用保険を中心に制度設計されていたため、長引く不況で失業者が増加傾向にあるなか、これらの社会福祉協議会が管轄する相談窓口を集約するとともに、利用条件もできるだけ使いやすいものにするように求める声が高まっていた。
今回の生活福祉資金貸付制度の改正によって、貸付資金の種類が簡素化され、また融資条件も緩和されて、より申請しやすくなった。
今般の総合支援資金貸付のポイントは以下のとおりだが、問合せおよび申請の窓口はハローワークではなく、「市区町村の社会福祉協議会」であることに注意したい。
・会社都合解雇や自発的な離職による失業、あるいは収入減によって生活が困窮した人のために、生活資金を貸し付ける「総合支援資金貸付」が新設された。
・「総合支援資金」は
- 「生活支援費(貸付限度額15万円以内〔2人以上は20万円以内〕)」
- 「住宅入居費(貸付限度額40万円以内)」
- 「一時生活再建費(貸付限度額60万円以内)」
の3種類。
・連帯保証人は原則必要だが、無くてもOK。
・貸付利率は年1.5%だが、連帯保証人がいる場合には無利子。
・有利子の場合には、半年間は元利据え置き。
・有利子・無利子いずれの場合も、償還期間は20年以内(6ヶ月の据置期間経過後)。
※なお雇用保険の給付・就職安定資金融資・他の公的給付・貸付を受ける場合には、総合支援資金貸付の利用はできない。
・総合支援資金貸付(厚生労働省)
・都道府県社会福祉協議会一覧(厚生労働省)
・「総合支援資金貸付」に関するQ&A(厚生労働省)
・「臨時特例つなぎ資金貸付」
ハローワークや自治体に支援制度の申請を行っても、実際に貸付の実行(自分の口座へ該当金額の振込)が行われるまでには一定の日数がかかる。
そのため、申請後に給付が開始されるまでの当座の生活のつなぎ資金として、10万円を上限に無利子・連帯保証人不要で貸付を行う「臨時特例つなぎ資金貸付」制度が設けられた。
申請条件は、金融機関に口座を持つ住居のない離職者であること、そして他の離職者支援のための公的貸付・給付制度をすでに申請していること。
・臨時特例つなぎ資金貸付制度の概要(厚生労働省)
・「臨時特例つなぎ資金貸付」に関するQ&A
・「住宅手当緊急特別措置(事業)」
「住宅手当緊急特別措置(事業)」は、離職後2年以内の就職の意思がある離職者で現在住居が無い、あるいは住居が無くなりそうな人を対象として、賃貸住宅の家賃補助として最長6ヶ月間、地方自治体が住宅手当を支給するもの。
支給額については、生活保護の住宅扶助特別基準に準じた上限が、地域ごとに設けられている。
支給金額の水準は地域によっても異なるものの、単身者で月3~5万円台半ばくらい。
原則として収入の無い人が対象だが、一定基準以下の収入・預貯金しかない人も対象に含まれる。
また、ハローワークへ求職申込を行うことも必須要件となっている。
相談窓口は、市区町村の福祉担当部課、または福祉事務所の住宅手当担当窓口。
詳細については、あわせて以下をご参照のこと。
・住宅手当(厚生労働省)
・離職によって住居を喪失又はそのおそれのある方へ(厚生労働省)【PDF】
・住宅手当実施主体における相談窓口一覧(厚生労働省)【PDF】
雇用保険の失業給付を受けている間に知っておきたい、各種支援制度(3)。に続きます。
雇用保険の失業給付を受けている間に知っておきたい、支援制度(3)。
雇用保険の失業給付を受けている間に知っておきたい、支援制度(2)。からの続きです。
・就職安定資金融資事業
平成20年12月から、雇用危機の深刻化を受けて国がスタートさせた新事業。
ハローワークと全国の労働金庫(ろうきん)が連携し、派遣社員や非正規労働者が解雇や雇用期間の満了による「雇い止め」にあって、社宅や社員寮から退去しなければならなくなった場合に、住宅入居の初期費用や就職活動費用の低利による貸付を行うもの。
ただし相談・申請は最寄りのハローワークに行い、要件の認定もハローワークが行う。
またこの制度は、雇用保険の失業給付を受けている間に知っておきたい、支援制度(2)。で紹介した「総合支援資金貸付」との併用はできない。
貸付の対象者は、以下のとおり:
・会社都合によって「過去1年以内に」離職し、現在失業状態で住居が無い、あるいは会社から解雇通告などを受けて1ヶ月以内に仕事と住居の双方を失うことが決まっている人
・ハローワークに求職申込をし、常用就職および就職活動の意欲がある
・預貯金・資産の無い、主な生計維持者
(※就職安定資金融資事業では「会社都合による過去1年以内の離職者」「会社都合でこれから1ヶ月以内に住居と職を失うことが確定している者」が対象。
離職後1年以上経っている場合は、次に説明する「長期失業者支援事業」でカバーする仕組みになっている。)
貸付の内容は、無担保・保証人不要、利率は年1.5%、貸付期間は10年以内(最初の6ヶ月は利息のみ返済でOK)。
初回の借入から6ヶ月以内に常用就職できた場合は、返済の一部免除制度もある。
貸付額上限は、住宅入居初期費用として上限50万円。
生活・就職支援活動費として上限100万円(常用就職活動費90万円[内訳:上限月額15万円×6回(月1回)+就職身元保証料(10万円までの実質額)])]。
また他に、上限36万円の家賃補助費(貸付は、月額6万円×6ヶ月)がある。
雇用保険受給資格者は、家賃補助費と常用就職活動費は受けることができない。
そのため融資の最大限度額は、雇用保険受給資格者である離職者は50万円、雇用保険受給資格者でない離職者は176万円となる。
なお、貸付を受けてから6ヶ月の時点で雇用保険の被保険者として就職していた場合は、返済額が一部免除となる。
・「就職安定資金融資」事業について(厚生労働省)
・「就職安定資金融資」に関するQ&A(厚生労働省)
・ろうきん生活支援策のご案内(社団法人 全国労働金庫協会)
なおハローワークでは、住居喪失者(社宅や社員寮からの退去を余儀なくされた人)に対し、雇用促進住宅への入居あっせんなどの「住宅確保のための相談支援」も行っている。
・住居喪失者等への住宅確保のための相談支援を開始(厚生労働省発表資料)
UR都市機構では、この就職安定資金融資事業の貸付を受ける離職退去者については、収入等要件によらずUR賃貸住宅の入居申込を受付している。
・解雇等により住宅の退去を余儀なくされる方のUR賃貸住宅への入居について(UR都市機構)
・長期失業者支援事業
離職後1年以上たった者(長期失業者)を対象に、民間職業紹介事業者による再就職支援のカウンセリング・講習、および職業紹介等を行う制度。
対象者のうち住民票のある者は、「生活・就職活動費」として上限90万円(月額15万円×6回)の貸付を受けることができる。
無担保・保証人不要。貸付利率は1.5%(最初の6ヶ月は利息支払のみ)。
貸付の対象者は、以下のとおり:
・離職後1年以上経過(離職の理由・住居の有無を問わない)
・60歳未満
・雇用保険受給終了後2ヶ月以上経過(雇用保険受給資格者は、本制度の対象外)
・預貯金等の当面の生活費・就職活動費がない者
・民間職業紹介事業者による支援利用を希望する者
申請先は、最寄のハローワーク。
ただしこの長期失業者支援事業、残念ながら全国のハローワークでくまなく実施されているわけではない。
実施都道府県が、「以下の地域を管轄するハローワークに限定」されていることに注意。
申請の手続きなど詳細については、以下リンクを参照のこと。
実施都道府県:
北海道・宮城・埼玉・千葉・東京・神奈川・静岡・愛知・京都・大阪・兵庫・奈良・広島・福岡
・長期失業者支援事業(厚生労働省)
・就職チャレンジ支援事業(東京都)
以下は、東京都のみの実施事業(平成20年8月より実施)なので注意のこと。
(やはり地方と比べると、東京都の施策の充実ぶりは際立っている。)
都立職業能力開発センターなどで職業訓練を受けながら、訓練に専念できるよう月額約15万円の「受講奨励金」を受けることができる。
また、訓練受講中の生活資金を無利子で貸す「生活サポート特別貸付事業」や、子供の学習塾の受講料や大学受験料を無利子で貸す「チャレンジ支援貸付事業」なども用意されている。
詳細は、以下リンクを参照のこと。
・就職チャレンジ支援事業 (東京都産業労働局雇用就業部)
・就職チャレンジ支援事業スタート (東京都)
・転職支援(NPO法人 POSSE)
中途採用面接、前の会社の悪口だけは言うな。
これを読んでるあなたは、すでに中高年なのだから、転職や再就職での採用面接の基本的な
ところは、実戦の場で、すでに何度か経験済みと思う。
だから、「面接の心構え」や「面接テクニック」といった基本的なことについて、いまさら細かいことをいうのも野暮だと思うし、それらについて説明している優れたホームページが他にもいっぱいあるので、「中高年 面接」とでも入力し、必要に応じて検索して調べてほしい。
ただ、じつは私も、人事部所属というわけではなかったが、これまでずいぶんと採用する側として、求職者を面接する機会があった。
(自分自身が候補者として、面接の場に望むんだことも、もちろん何度もあったが)。
その経験上、とりわけ中高年の転職・再就職の面接においては、頭でわかっていても無意識についやってしまう大きな失敗が、一つあるように思っている。
ここでは、その点についてだけ、強調しておきたい。
それは、「面接の場では、前の会社の悪口だけは、絶対に言ってはならない」ということだ。
そんなこと、とうに知っているって?
まぁ、聞いて欲しい。
まず、なぜ前職の会社の悪口を言ってはならないか、についてだが、これははっきりとした理由がある。
「面接官が、自分の会社でも同じように悪口を言う人間ではないかと警戒するから」などと書いてある、指南書もあるようだが。
ただ、私は単純に、「第三者」である前の会社(たとえ会社という「法人」であったとしてもだ)の悪口を、当人のいない場で感情を高ぶらせて語る姿が、はっきり言って人として見苦しいからだ、と思っている。
考えてみてほしい。
面接官は、あなたが悪口を言っているその前の会社の状況を、イメージすることができないのだ。
たとえば、「前の会社で、社長がいかに公私混同のとんでもない人間で、会社のためを思っていろいろ働いてきた自分を冷遇してきたか。そして理不尽にも、最後はリストラされてしまいました。」などということについて、面接の場をいい機会とばかりに、あなたが積もるうっぷんをぶちまけたとしても、当の面接官は「あなたの前の会社がどんな雰囲気の会社で、社長がどんなに人間なのか」を、まるっきりイメージできないのだ。
一方で、語っているあなたは、自分が経験してきたこととして、そのワル社長の口調やその瞬間の場面まで、ありありとリアルにイメージすることができる。
この落差が余りに大きいので、しゃべってる側のフツフツと沸き立つような感情を、一候補者としてのあなたの話を聞いている面接官が、感情移入したうえで肯定的に聞いてくれるということは、まず絶対に起きえないのだ。
テレビのワイドショーの事件報道をみていて、「あぁ、この被害者はカワイソウだな…」と思うことなどが、あなたもあるだろう。
あなたが前の会社がいかにひどかったかという話をするのを面接官が聞いている時の感覚は、失礼ながら、その感じに似ているのではないかと思う。
感情面で同情に値する話だと思っても、それは一瞬のこと、しかもはっきり言ってしまえば、しょせん他人事である。
ぼんやりと想像はできても、しょせんイメージとして残るほどではない。
強く脳裏にイメージできないことは、人は忘れるもの。
あなたが正しいか正しくないかは問題ではなくて、後に残るのが、「会社の悪口をえんえんとまくしたてている、あなた」というネガティブなイメージだけになってしまうことが、あなたにとってはまさに問題なのだ。
それもある意味当然で、いちいち候補者の感情に自分の波長をあわせてしまうような人物は、そもそも採用面接官の役回りなどはつとめやしないものだ。
しかしこれが、しゃべる側としては、前の会社にたいしてネガティブな思いが強い分、しゃべっているうちに、感情のコントロールが効かなくなる場合が多い。
いつのまにか、かわいそうな自分を放り出した前の会社への恨みつらみのオンパレード、独演会になってしまう人がいるのだ。
しゃべっている当人は悪口を聞いてもらえて、さぞスッキリすることだろうが、自分自身をアピールする時間が結果的に削られてしまうし、何人も採用面接を繰り返している側としては、「この人は、なんだか悪口ばっかり言っている、見苦しい人だなぁ」というマイナスの印象だけが、最後には強く残るものだ。
中高年者の採用面接は、ただでさえ、他にも越えなければならないハードルがいろいろとあるし、競争者も多い。
後で、面接をした人が、複数の候補者の中から誰かを選ぶときに、「あの人は、なんだか前の会社の悪口ばっかり言っていたなぁ」、とまず第一印象で思い出されてしまうような場合、採用される可能性が高いと、あなたは思うだろうか?
そして、あなたが面接官の立場だったら、そういう人を積極的に採用したいと思うだろうか?
自分はそんな愚かなミスをしない、と思ってる人、それは結構なことだ。
ただ、定番の質問である、「どうして前の会社をお辞めになったのですか。」という質問を糸口に、やりとりをしているさなか、自分の中の前職の会社に対する鬱屈した感情が、ココロの裂け目からあふれだすケースも多い。
気がついてみたら、「前の会社はいかにひどかったか。自分がいかに正しかったか。自分は犠牲者だった。」といった内容の、独演会になってしまうケースが、私が面接してきた中にも、実際にいくつもあった。
面接にのぞむ前は、十分用心していても、面接が進む中で時間も経ってくると感情がほぐれてきて、つい本当の気持ちを生のまま露呈して、面接官にぶつけてしまいがちになるものだ。
あるいは、面接官の方でも、応募者のむき出しの感情の一面がどんなものかを見るために、相槌をやたら打つなどして、応募者の感情が高ぶる方向に、わざと誘導してくる場合だってある。
面接官も、良い人材を採用しようと真剣であればあるほど、あなたという候補者を、ひとつでも多くの面から見ようとして、いろいろな確度から、質問の矢を投げてくるものである。
本当は採用面接のみならず、少なくとも入社後の試用期間中くらいは、前の会社の悪口などはまくし立てたりしないほうがよい。
どうしても言いたければ、会社とは全く関係のない友人に、酒の席などでごくたまに、グチを聞いてもらう程度にしておくことだ。
ストレスを発散することそのものは、べつに悪くない。
むしろ自分の内に溜め込まないよう、悪口を言ってストレスを発散するのは、ある意味で人間の生理にそっている行為だし、それでスッキリするならば、ガンガンと「口撃」することもよいだろう。
ただ、聞かせる場所と相手だけは選びなさい、ということである。
意識的にせよ無意識にせよ、それを採用面接の場でやってしまっては、明らかにあなたにとってはマズイ方向に働きますよ、ということなのだ。
余談だが、世間には「悪口の言い方が上手な人」が、確かに存在するようだ。
テレビなどでそういったコメンテーターや芸能人をみていると、ただただ感心するばかりだが、どうも練習量と場数が、ずいぶんと必要な所業のようにも思える。
やはり、私やあなたのような素人は、うかつにマネをしないほうがよさそうだ(笑)。
中高年の就職に関わる統計・データは、本質的に無関係(1)。
2008年後半からの米国発の金融危機によって、輸出頼みのまま地道な内需拡大を怠ってきた日本経済は、一気にこれまでのツケを払わされることになったようだ。
大手企業が正社員減らしにすら着手しはじめる中、我々中高年の2009年における転職・就職市場も、明るい話などは聞こえてきそうな気配すらない。
中高年の転職・再就職の先行きの厳しさにいたってはいまや常識となっており、やれ応募倍率が何百倍だの、有効求人倍率が0.×倍だのと、不景気なデータ・統計をメディアから拾いあげるにも事欠かない状況だ。
しかし、就職活動をしているあなたは、実のところ、他の就職者と直接に競争をしているわけでは
ないだろう。
第三者から見れば、一見すると競争のように見えるものの、採用する側だって、他の候補者と能力の優劣を競わせるだけで選考し、採用しているわけではない。
競争倍率が高い低いは、あくまで「第三者からみた分析」に属する話だ。
求職者がまず力を注ぐべきは、「入社したい会社を見つめた、応募に関わる行為」であって、中高年の転職・就職市場の分析ではない。
これはある意味、当たり前のことである。
しかし、この順番を逆にして、自分の応募したい会社の研究をそっちのけにして、「中高年のための転職セミナー」などにせっせと通っている中高年の求職者は、意外に多いものだ。
採用側としては、あくまで「自分の会社で働いてもらうとして、もっとも会社に貢献してもらえそうな人、そして職場における適性がありそうな人」を、応募者の中から選ぼうとしているわけであるから(コネ入社など、中には例外もあるだろうが)、仮に個々の能力を個別に比較した場合には、最終的に採用された者よりも落選者の方がはるかに優れているケースなど、いくらでもあるはずである。
私も採用面接に関わっていた会社員時代、申し訳ない気もするが、自分よりはるかに実務能力が長けていそうな人を、ずいぶんと「落選」させたものだ(笑)。
自分が退職してその人を後任に推すほどには、人間もできていなかったが…。
一方で、応募しようとする側だって、他の第三者との優劣を比較してアピールしたくとも、しょせんは「これから応募する会社が、好ましいと思うんじゃないか」と自らが想定するアピールポイントに沿って、自己PRをしているにすぎない。
他の応募者との並列比較は、物理的には、採用する会社側しかできない行為であるから、応募者があまり他の候補者を意識して思い悩んでも、これは仕方のない話なのだ。
結局、つきつめていえば、あなたが狙う職種に他に何百人の応募があろうとも、その結果として競争倍率が何百倍となろうとも、そのこと自体は、あなたの応募と本質的には関係ない話である。
要するに、「あなたが、その会社の採用ニーズに最もフィットするか否か」だけが問題で、その意味では「会社対あなた」という、一対一の関係で考えるべきことだ。
たとえで言えば、あなたは、「ジグゾーパズルの一ピース」のようなものだ。
他に何千個の似た形のピースがあるにせよ、その場所にピタッとフィットするものはひとつだけであり、あなたにとって問題なのは「あなたという一ピース」が、そこにピタッとフィットするかどうか、ということだけだ。
他のピースと形が似ているとか、違っているかなどと論じても、大して意味はない。
しかしながら、今この瞬間も、自分が就職した「会社」というジグゾーパズルにピタッとフィットしなかったがために、自分が快適に収まることのできる「パズル」を求めた転職者・求職者という「パズルのピース」が、世間にはあふれているのであるが。
そこに市場を見出した”中高年の転職を支援する”と謳う転職コンサルタントや業者は、「こうすれば採用される確率が高まる」と喧伝し、履歴書の書き方から面接突破の方法まで、様々なテクニックやアプローチ法まで、事細かに伝授してくれている。
彼らだって長い経験にもとづいた商売でやっているわけだから、確かに個々のノウハウを見ると、なるほどと思わされるものも多い。
また、そういったことをしなければ、この中高年転職の厳しいご時世、とても厳しい競争を勝ち抜けるものではないと、求職者の危機感をことさらに煽りたててくる。
彼ら第三者が、そこまであなたを煽り立てるよすがとなっているのは、冒頭でも少し触れた、世間に流通する数々の「中高年の転職・就職関連のデータ・統計」なのである。
長くなりましたので、続きは中高年の就職に関わる統計・データは、本質的に無関係(2)で。
中高年の就職に関わる統計・データは、本質的に無関係(2)。
中高年の就職に関わる統計・データは、本質的に無関係(1)。からの続きです、通してお読みください。
偏差値など、試験のスコアを中心に判断する大学・高校の受験ならば、競争率が厳しいからがんばれ、という言い方になるのはわかる。
しかし、「ある特定の会社」が「自分の会社にあった人を採用しようとする」行為について、客観的に有効であるとして示せるデータは、本質的には何もないはずなのだ。
共通するルール・暗黙の約束事などは、何もない。
ただ「その会社に採用されるか、されないか」という、事実が残るのみである。
歌ではないが、会社が求めるのはその会社にあった「オンリーワン」であって、彼らは数多くの候補者の中で最も優秀とみなされる「ナンバーワン」を選ぶ作業をしているわけではない。
ここは間違えないように、意識しておく必要がある。
たとえば、中高年の求職者で自分にアピールできるものがないから…などといって、履歴書でアピールできる項目として書き込めるよう、今からこつこつと、資格の勉強にはげむ人がいる。
別にやめろとまではいわないし、ただ遊んで時間を消費するよりは、はるかに尊い行為だ。
しかし、そもそも論でいえば、「就職のために資格をとろうとする行為」は、こと求職活動に限って言えばしょせんは、「ナンバーワンを志向する発想、職を求める側の発想」である。
他の同じような資格保有者と、自らを同列に立たせようという考え方であり、採用する側が関心を持って見ようする世界と、本質的にズレているのだ。
中高年の求職者が、就職のために資格をとろうと考えることは、「オンリーワン」を求める採用側の発想に直接近づく行為とはならない、大きな回り道となってしまっていることに、気づいてほしい(資格については、資格は、中高年の就職の武器としては弱いことを知る(1)。も、よければ読んでみてください)。
求職者であるあなたが就職したい会社に対峙したときに、真っ先に考えるべきは、「その会社にとって、あなたがオンリーワンとなりうる人物かどうか」ということ、そして「あなたにとっても、その会社がオンリーワンとなりうるかどうか」ということである。
求職にあたっては全力でその会社を調べ、「その会社にとって、あなたが必要だということをわかってもらうためには、どうしたらよいか」を、戦略の中心として考えるべきだ。
必死になって「その会社だけ」を見つめるまでに、自分の気持ちを高めることこそが何よりも必要だ。
そこまで応募したい会社への思いがつのるようになるためには、その会社のことを事前に相当調べるくらいでなければ、ダメだろう。
そうなると、転職・再就職が第一目的であるならば、時間を資格試験の勉強にあてるよりは、むしろ企業調査に充てるべきではないだろうか。
また、「あなたにとって、その会社がオンリーワンとなりうるかどうか」という視点を持つことも、とても大切だと思う。
事前の調査が不十分なまま、せっかく転職・再就職を果たしたのに、結局は一年ももたずに、また自己都合退職…となる事例だって、現実には本当に多いのだ。
双方にとっても、著しい人的・経済的資源のムダ、ひいては社会的損失であることがよくわかっているはずなのに、やむこともなく繰り返される光景。
「オンリーワン」を求めることは、採用側にとっても求職側にとっても、それくらい難しい。
(余談だが、もちろん「オンリーワン」を最初から採用するつもりのない企業も、世の中には掃いて捨てるほどある。
「別にあなたでなくともよい」「代わりはいくらでもいる」と平気でのたまうような会社で、離職率が異常に高く、定着率は異常に低い。
そんなところには最初から近づかないほうが無難、というのが唯一のアドバイスだ。)
さて、「競争に勝ち抜く視点」、すなわち「ナンバーワンになるにはどうしたらいいか」という方法論を教えようとする、あなたや会社にとって第三者であるはずの就職コンサルティング会社・就職コンサルタントが、本質的に解決できる類の問題ではないことは、あなたは自覚していて損はない。
誤解ないように言っておくと、それらの中高年専門の就職コンサルティング会社やコンサルタントを利用するな、とまでは言わないし、また利用するのが無駄だと言うつもりもない。
ただし、「第三者である彼らが本質的な解決策を提示できる問題ではない」ということを心によく刻んだうえで、利用すべき部分を自らの判断で選り抜いたうえで使っていくことが大切だ、といいたいのだ。
彼らが自社の強みとして示す「採用実績」などのデータは、しょせんは他人のケース、過去にあった個々に事情の異なる成功事例の、足しこみに過ぎない。
あなたの置かれたケースにおいて、あなたが同じように成功事例へと分類される根拠など、はじめからどこにもないのだ。
ちなみに、彼ら商売する側も、「自己責任」という言葉を使いながら、同じようなことをよく言う。
しかし、彼らは単に商売上の最終責任を負いたくないから、そう言っているにすぎない。
あなたが「自己責任で」やるのだと自らに言い聞かせるときは、彼らが口にする以上の、もっともっと厳しい覚悟を持つ必要があるだろう。
最後にもう一度、繰り返しておこう。
現在、世間で流通する中高年の就職活動関連のデータや統計などに、いくら厳しい数字が踊っていようとも、直接的にはあなたのケースと何の関係もない。
今あなたが直面しているのは、本質的には、あなたと、あなたが応募しようとしている会社が、「一対一で向き合うべき世界」なのだ。
ただその会社のこと、そしてその会社にコミットしようとするあなたの状況・あなたの人生をよく見つめて、一期一会という思いで、決断を下していく覚悟をあなた自身が持つことこそが、大切なのだ。
そのためには、その会社への思いが深く強くなるよう、その会社のことを手を尽くして事前によく調べることこそ、求職活動を続ける今のあなたにとって本当に大切なことではないだろうか。
資格は、中高年の就職の武器としては弱いことを知る(1)。
世の中には、「私は何の資格も持っていないので、転職や再就職には不利だと思う。会社を辞めたので時間もできたことですし、資格を取ろうと予備校に通っています。」という人が、非常に多くいるようである。
まず、「その心意気たるやよし」ということは、最初に言っておきたい。
空き時間をテレビをみてボーッと過ごしたり、パチンコでつぶしたりなどという時間の使い方よりは、はるかに有意義だ。
それに、仮に試験に合格せず、資格を得られなかったにせよ、人生の一時の間、精魂込めて勉強したことは、自分の財産としてなんらかのかたちで、自分の中に残るものである。
私も、「資格をとりにいく」ことそのものが、性格的に好きだった。
これまで取得しようと思った資格は、10個では済まなかったように思う。
これまでとった資格は、行政書士や宅建、簿記やTOEIC、ビジネス実務法務といった、文科系の就職に役立つといわれる定番モノである。
一方で、米国公認会計士や税理士といった資格は、一年ほど勉強して一部科目合格したものもあったが、最終的に資格としては取ることができなかった。
しかし、サラリーマン時代を振り返ってみて、その当時勉強したことが、仕事の端々でそれなりに自分の血肉になっていることを自覚する瞬間は、多かったように思う。
それらの資格試験合格のため百万単位で資金も投じ、結局合格してはいないものの、それなりに自分の実となっているという自覚があるためか、いまだに後悔はしていない。
ということで、私自身が資格をとるということに前向きな性格なこともあるのだが、中高年でありながら自分の価値を高めようと資格試験の勉強にいそしむ人には、どちらかといえばシンパシーを感じるし、応援したくもなるほうである。
しかし、その気持ちを横においた上であえて言えば、中高年の求職者として、転職や再就職を果たすことを目的として資格をとりにいくのであれば、少なくとも今日の就職事情においては遠回りとならざるを得ない、ということは、この際はっきりと言っておかねばならない。
もしあなたの目指す資格が、「それが無いと仕事自体をすることができない」種類のもので、あなたがどうしてもその仕事につきたい場合だけが、唯一の例外になると思う。
俗に言う「士業」、弁護士や弁理士、税理士や社会保険労務士、他には医師などもそうだろう。
これらの職業につきたい場合は、そもそも資格がないと仕事ができないのだから、是非もない。
もっとも、中高年からこれらの資格を目指す場合は、費やす時間とのかねあい、対費用効果だけは考えておいたほうがよいとは思うが。
一説では、資格合格のためトータルに費やす時間の目安として、弁護士は2万時間、公認会計士で7,000時間、税理士6,000時間、社会保険労務士で1,200時間位だそうだ。
一念発起して弁護士を今から目指すなら、一日10時間勉強しても5年ちょっとかかる計算である。
もっとも司法試験は制度改革があったことだし、もう少しハードルは下がっているかもしれない。
それにしても、いわゆる「やさしくなった司法試験」を通過した人たちに、弁護士となった後、潤沢に仕事が用意されているのだろうか…。
私が見聞きする限りでは、どうも制度改革の前後ではっきりと、「弁護士としてのランク付け」が成されているように聞いている。
そうだとすると、新制度で弁護士になった人たちの顧客獲得の営業は、少ないパイの奪い合い競争において、開業後がそれなりに大変になるだろうことは、容易に想像できる。
これは費用対効果としては、いかがなものだろうか?
長くなってしまったので、資格は、中高年の就職の武器としては弱いことを知る(2)。に続けます。
資格は、中高年の就職の武器としては弱いことを知る(2)。
資格は、中高年の就職の武器としては弱いことを知る(1)。からの、続きです。
「中高年の求職者の資格取得は、こと転職・就職・再就職が目的である限り、方法としては遠回りになりますよ」、というお話。
弁護士など、いわゆる士業などの「資格がなければ仕事ができない」という例外を除けば、中高年の求職者が資格取得を目指して自らの時間を大きく費やすことは、かなりリスクの高い行為だと、言わざるを得ない。
その最も大きな理由は、「中高年の就職の現場では、面接側にとって資格保有の有無は、その資格に付随する『実務経験の量』にリンクして着目されることが多い」ことにある。
たとえ難関資格を苦労してとったとしても、取得時期が就職面接の半年ほど前であったなら、実際問題、面接官にとっては、さほどのアピールポイントにはならないのである。
これが新卒の求職者ならば、同じ資格取立てのホヤホヤであっても、印象はガラリと変わる。
彼らには、働きながら実務経験を積み上げていく時間的余裕が、たっぷり残されているからだ。
しかし中高年の求職者に対しては残念ながら、採用側はどうしても「即戦力となるか否か」を求めてくる。
中高年の求職者が仕事をこなしながら、一から実務経験を積み上げていくのを、給料を支払いながら暖かく見守ってくれる余裕のある会社は、残念ながら今日では、ほとんど死滅している(もしそのような会社にめぐりあえたのなら、あなたは、相当な強運の持ち主だ)。
ひいき目にみても、「難しい資格をとるために長時間を勉強に費やすことのできる、忍耐力と根性のある人」という部分だけが、就職面接においては加点ポイントとなるだけだ。
現実としては、「資格はあって当たり前、それで実務経験のほうはどれくらいあるの?」というのが、中高年の求職者を評価するためのキモの部分となっているのである。
だから、ここからが、考えどころである。
限られた時間の使い方として、あなたのこれからの人生にとって「その資格をとりにゆくこと」が最適な命題かどうかが、まさに問われているのだ。
冒頭に書いたように、大型資格をとるための受験勉強だけで、数百時間~数千時間は必要なのだ。
企業が求める実務経験まで身につけるとしたら、その上さらに数千時間上乗せしなくてはならないだろう。
そりゃあ中高年のあなたは、寿命がつきるまではまだまだ時間は残されてはいるだろう。
しかしそれにしても、「就職のための武器を身につける目的で」数千時間も費やすほどに、あなたの人生は充分な時間的余裕に満ちているだろうか?
それなら、勉強時間が比較的少なくてすむ、簡単な資格をたくさんとるのはどうだろうか?
おわかりのとおり、こちらも効果がない。
簡単な資格をいくらとったにせよ、そもそも採用面接ではアピールしないし、むしろ単なる資格マニアかもしれないと、色目で見られる危険だってある。
資格予備校は、パンフレットなどで「転職に有利」などと甘い誘惑フレーズをたくさん並べたてているが、あらゆる世代の資格保持者にとって有利とまでは言っていないはずだ。
中高年にとって有利ということは、決してないのが現実である。
ほとんどハクづけにすら、ならないのだ。
悪いことばかりでもない。
これを逆方向から、メリットとして見るならば、「中高年の就職面接では、資格の有無などはほとんど採用のための考慮要素とならない」ので、仮にあなたが資格をひとつも持っていないにしても、なんら気にかける必要はないわけだ。
むしろ問われるべきは、あなたが「資格試験の勉強に費やしてこなかったその膨大な時間を、それではこれまで、いったい何に費やしてきたのか?」という点なのである。
あなたが時間をつかって積み上げてきたその「何か」が、あなたが就職したい会社にとっても確実に貢献する強いメリットとなるであろうということを、面接官に対して、きちんとアピールできなければならない。
就職の現場において、中高年はたしかに、即戦力が求められている。
しかし肝心なのは、即戦力の「中味」なのだ。
「ビジネスという戦場で、どういう局面の戦いにおいて、あなたの力が戦力として評価されるのか」についての自己分析を、採用面接の場において面接官に理路整然と説明できるよう、あなたは怠りなく準備しておくべきである。
いまから資格試験の勉強に膨大な時間を費やすよりは、そのために時間を使うことが、就職をめざす今のあなたにとっては、はるかに有益な結果をもたらすことになるだろう。
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